「古事記」「日本書紀」には、神武天皇の東征のくだりが出てくる。
日向の高千穂の宮にいた神武天皇が、兄と共に東方に都を作るべく一族・郎党で大和に向った。瀬戸内海を船で渡り、難波から淀川をつたって溯上し、河内に入ったところ、神武天皇を快く思わない土着豪族ナガスネビコの軍勢に襲われ、兄が矢傷を負ってしまい、神武の軍勢は散々に打ち破られて撤退する。
神武はこの敗戦を、太陽神・アマテラスの子孫である自分が、太陽に向かって戦った結果招いたのだと考え、船で紀伊半島を南に迂回し、今度は太陽を背にして熊野から北上して、大和に向けて進軍した。途上、天の神々から遣わされたヤタガラスの導きにより、熊野・吉野の山中を行軍したと言われている。
このヤタガラスは、普通3本足の烏として認識されている。だが、特に容姿に関しては、3本足と明記はされていない。この3本足に関しては、「勇」「智」「仁」の三徳を意味してるとか、「天」「地」「人」を表現しているとか、言われているが定かではない。
また、ヤタガラスは、太陽の化身と考えられており、熊野を中心に信仰の対象となっている。以前、某UFO研究家と話をしていたとき、ヤタガラスが「光輝くUFO」だとか、「3本足のエイリアン」の象徴であるという説を伺った。
一般的にも、日本サッカー協会のシンボルマークに、ヤタガラスが使用され認識されるようになったが、これは近代サッカーを日本に輸入し、普及に努めた中村覚之助の故郷・那智勝浦町に鎮座する熊野那智大社の八咫烏を採用したためである。
もし、ヤタガラスが本当に異星人ならば、ぜひ、リオのオリンピックやロシアでのワールドカップでは、男子チームを優勝させて欲しいものだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)