7月21日、北朝鮮が久々に暗号放送を再開させ、話題となっている。
北朝鮮は今年に入って日本海へ向けてのミサイル発射実験等軍事的挑発と見られる様子を頻繁に行っており、再び半島周辺では緊張が高まっているため、この暗号放送も近い内に半島で有事が起きる可能性を示唆しているのではないかと見られているのだ。
暗号放送とは、北朝鮮が国外の工作員に指示を送ったり、連絡を密かに取り合う手段として用いていたものだ。
以前に放送され、日本でも聞くことの北朝鮮の暗号放送は、警視庁が韓国政府の協力を得て解読する事ができた。当時の捜査では、日本で拉致事件にも関与していた北朝鮮工作員の家には、この暗号放送解読用のものが隠されていた事が判明している。
それによると、所持していた本のカバー裏に暗号表が、また雨戸の戸袋の中から乱数表が見つかった。これらを用いて解読していたのではないかと見られている。
暗号放送の解読の仕方は以下のようなものであった。
放送されてくる5桁の数字のうち、左から3つを抜き出す。その三桁の数字に対応する乱数表の数字を確認し、割り出した2つの数字を桁ごとに足し合わせる。すると、三桁ないしは四桁の数字が新たに出てくる。
これを前半と後半に分け、暗号表の横軸と縦軸が交差する所を結んでいくと、やがて文章が出てくるというものであった。
なお、解読された暗号放送は、日本にてある人物を拉致せよというもので、所定の時間が来たら決められた周波数のラジオで指定の歌が流れた時が、拉致実行の合図だというものであったという。そして、実際にこの放送が流れた日に、一人の男性が行方不明となり、工作員も北朝鮮関係者に引き渡したと証言しているのだ。
そんな暗号放送の再開は何を意味しているのか。昔と今では暗号の仕組みも変わっているのではないかと見られているが、解読された暁にはどのようなメッセージが出てくるのだろうか。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)