昔から日本各地に伝説の残っている河童だが、現在でも目撃証言は絶えない。河童らしきものの姿が撮影されたとする動画や写真が近年でも報告されているため、伝説上の存在ではなく未確認生物とする見方もでてきている。
先日、アトラスにて1980年代と90年代に、粘液に包まれた「河童の足跡」らしきものが発見されたという事件を紹介した。実は河童の足跡は2000年代に入ってからも報告されているのだ。
2008年9月14日、千葉県市川市の民家の郵便ポストにて、奇妙な生物の手形が残されるという事件が起きた。この家の人物がアトラスで監修を行っているオカルト研究家・山口敏太郎氏の身内でもあったため、山口敏太郎氏は現場に急行し、調査を開始したという。
調査の結果、ポストの四ケ所に奇妙な手形が付いている事を確認。五本指の間に水掻きらしき痕跡が存在していた。指の間に水掻きということで、これもまた河童の足跡ではないか!?と考えられた。
しかし、現場は住宅街であり、河童が住んでいるような水辺、川などがかなり離れていた。
また、手のひらに当たる部分を見てみると、人間よりも肉球のある動物のもののように見られる。確かに猫であれば郵便ポストによじ登る事は可能だが、猫とは形状が違い指が長い。猿という説も出てきたが、猿の場合は今回の足跡よりももっと指が長くなるはずだ。
これらの点から、山口敏太郎氏は足跡の主を河童ではなく「ハクビシン」と推定している。
ハクビシンはジャコウネコ科の小動物で、木登りが得意で民家の天井裏に入り込むこともあるという。近年では首都圏での目撃証言も出てきており、指は五本で水掻きらしき膜もある。
今まで妖怪のものと言われてきた謎の足跡も、精査してみると既知の動物のものであったという事例が出てくるのかもしれない。しかし、そんな中に僅かに交じった「正体不明の生物の痕跡」に、我々は未確認生物の可能性を見いだしてしまうものなのだ。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)