日本各地に昔から伝説の残っている妖怪・河童。
子供ぐらいの大きさで頭に皿、背中に甲良があり、池や川に住み人を襲うこともあると言われている。伝説上の存在であるはずだが、現代でも目撃証言が報告される事があるため、日本の未確認生物のひとつとして考えられてもいる。
そんな河童の足跡か、とされるものが発見されている。
1984年、長崎県対馬市にて夜釣りをしていた人物が帰り道で子供ぐらいの大きさの生物を目撃。翌朝現場を訪れてみると、ネバネバした粘液に覆われた奇妙な足跡が長く続いていたという。
大きさは長さ22センチ、幅12センチで歩幅が約55センチで直立二足歩行を行っているように見えたという。
1991年には宮崎県西都市にて、人家に奇妙な足跡が多数残されるという事件が起きている。この足跡は非常に小さく、長さ7センチ、幅6センチで三本指があるような、非常に変わった形状をしていた。
当時現場には生臭い悪臭が立ちこめていたという。この足跡も茶色い粘液で覆われており、分析の結果鉄が主成分で塩素が多く含まれている事が判明した。しかし、このような粘液を分泌しながら足跡を残すような生物は存在しないとされている。
果たして、この足跡の主は何だったのか?
主成分に鉄が含まれていたことなどから、正体は粘菌だったのではないかとする仮説が存在している。
粘菌は水分を吸収すると発芽して胞子からアメーバ状の細胞になるもので、一つ一つの個体は非常に小さいが、非常に大きな集合体になることもある。粘菌には決まった形がなく、青臭いにおいを放つ種類も存在する。
また、フィザルムという粘菌は塩化鉄などを栄養分として取り入れるため、何らかの要因で室内や路上に粘菌のコロニーが発生したものではないかという説がでている。
しかし、同じ形のものが一定間隔で生じている事の説明が付かないままであるため、粘菌説だけで片づけられない側面があるのも事実である。
もしかしたら、本当に河童の足跡だったのかもしれない?
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)