【山口敏太郎のオカルト的社会論その3】魔法使いカブが起こした邪悪な犯罪 サムトノババと少女誘拐

埼玉の自宅付近から2年前に行方不明になった少女が、無事保護された。

監禁していた犯人は、千葉大学を卒業したばかりの寺内樺風(カブ)という23歳の男だった。驚くべきことに大学の近くのアパートに2年間も監禁しながら、近所や友人にバレていなかった。

「カブ」と言う名前はあまり耳にする名前ではない。唯一思い浮ぶのが、往年の人気アニメ『魔法使いサリー』に出てくる悪戯好きの男の子のキャラクターだ。サリーちゃんとは血縁関係はないのだが、弟分的な役割で人気を博した。文字通り魔法のように2年間も少女の姿を消し去ってしまったカブ容疑者だが、それには理由があった。

父親が経営する会社が防犯グッズを取り扱う業種であり、そこで覚えたと思われる防犯知識を少女監禁に悪用していた可能性があるのだ。外側からでも内側からでも施錠ができるドア等はその典型的な例であり、このような特殊な知識が2年間もの長期監禁を可能にしたのであろう。防犯屋の息子が犯罪を行う等もってのほかであるが、まさか家族もこのような鬼畜に育つとは思ってもいなかったのであろう。ある意味カブ容疑者の家族も被害者であるといえる。

それにしても中学1年の終わりから3年という貴重な成長期を奪ってしまったカブ容疑者の行為は許しがたい。現行の法律で裁いたとしてもせいぜい9年の懲役が上限だというから嘆かわしいではないか。監禁犯罪への刑罰を厳しくすべきだと思うのは筆者だけであろうか。このような事件の報道を見るたびに日本中でいったい何人の人が監禁されているのだろうかと薄ら寒い思いをする。見方を変えれば、それだけ現代社会は近隣の家に興味がなく、人間同士の交流が少なくなっているといえる。

少女誘拐といえば、筆者は遠野物語に出てくる「サムトノババ」を思い出す。これは若い娘が山の民に浚われ、数十年後老婆になって帰ってくるという話だが、民俗学のデータ上では少女誘拐とおぼしき事例は多々みられる。サムトノババのように化外の民による常民の娘の拉致、人買いによる未成年者略取等人間が消えてしまう事例は時折あったはずだ。我々の先祖はそれを神隠しや天狗浚いに置きかえることにより、民俗的共同体を維持してきた。言い換えれば大人の利己的な理由による人身売買や未成年者略取を神や妖怪のせいにしてきたのだ。

神や妖怪が人間を隠さなくなった現代、一人の人間が消えることはあってはいけない。少女誘拐は、許しがたい犯罪だ

文:山口敏太郎





 

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