日本の官庁や日系企業(主に軍事産業)を標的にした”謎のサイバー攻撃”が頻発していた事はご存知だろうか。
政治・経済の極秘情報から、企業の新製品情報などが犯人たちの狙いらしく、特に日本版ステルスX-2・心神(2016年4月に初飛行)の開発に関与していた三菱重工業、衆議院のサーバーなどがターゲットになっていた。
もはや、各国によるサイバー戦争は当然のものとなり、陸・海・空・宇宙ウォーズに続く、第5の戦場になりつつあると分析する軍事評論家もおり、オンライン上でバトルが日々行われているのだ。
三菱重工業のサーバーにサイバー攻撃を仕掛けた足跡を辿っていくと、どうやら中国国内に発信元があったことがわかり、日本政府が2011年9月下旬に中国政府にサイバー攻撃の犯人グループへの捜査依頼を出したらしいが、中国政府はのらりくらりとかわしていた。事実、当時は中国版ステルスが開発に苦戦しており、中国国内の幾つかのグループは、心神のデータを欲しがっていたのは本当のようであり、対馬上空で度々目撃されていた未確認飛行物体は、中国版ステルスの実験機である可能性は高い。
中国国内では公表されていないが、軍部の中に他国攻撃用のサイバー部隊があることは暗黙の了解であり、中国国防省も遠まわしに認めている。
このサイバー部隊は、日本のみならず米国の官庁や企業までアタックを繰り返し、様々な情報を破壊したり、収集したりしているという。特定のサーバーに連続攻撃するときの物量戦は凄まじく、数万人から数十万の工作員が一斉に負荷をかけてくるとも言われている。他にも中国国内のネット世論の誘導や監視を業務としているという。
この中国の擁するサイバー部隊のルーツは、中国の友好国である北朝鮮にあるとされており、数年前に対韓国、対米のネット工作部隊(10人程度)が中国に派遣され、分散サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)を指導したらしい。韓国は日本よりもサイバー攻撃に対してディフェンスが強いとされており、それを打ち破るために北朝鮮はかなり高度な技術を持つサイバー兵士を養成していたという。
それが現在の中国サイバー部隊につながったと推測されている。当然、この部隊も攻撃は日本だけでなく、韓国やアメリカにまで及んでいるし、同時に有効部隊である北朝鮮のサイバー部隊も暗躍し続けている。
我が国でも、ようやくこの危険性に気がつき官民でサイバー攻撃への防衛策を協議する「サイバー情報共有イニシアチブ」の初会合が開催された。日米防衛相会談でも日米韓の情報共有と連携が話題となっており、その重要性が問われている。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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