人類はかつて高度文明を誇りながらも何度も滅んでは発展する過程を繰り返しているという珍説は、よくある“とんでも本”の定番メニューである。確かに、古代の伝承や神話をまとめた内容に、不可解な記述があるものは多い。
日本や中国以上にインドの神話も、描写がぶっ飛んでいる。2500年以上昔、古代インドにおける戦争を描写した神話の記述の中に、もはや“核戦争としか考えられない”記述があるというのだ。
古代から民衆の間で口伝によって伝承されてきた神話をまとめたものが『マハーバーラタ』と呼ばれるものであり、「バーラタ王家とパーンダヴァ王家との間に起きた大戦争を物語る壮大な叙事詩」として知られている。この戦争は、紀元前400年頃から600年世紀頃に、実際にあったとされる紛争をモデルにしているらしい。この中に核戦争の描写が出てくるというのだ。
しかも、このような高度文明を連想させる不可解な記述は、『マハーバーラタ』だけではなく、『ラーマーヤナ』、『リグヴェーダ』にも散見できると一部の研究家によって主張されており、インドにおいてかつて空中を自在に飛行し、核兵器を開発できるような古代文明があった証拠と言われている。
確かに、『マハーバーラタ』に記された「インドラの雷」という武器?の描写が、現代の核兵器を想起させる。太陽が一万個も集まった程の明るさが煌き、炎と煙が絡み合い光る柱が形成された。町には熱風が吹き、水を求める人々が彷徨い、髪や爪が焼け落ちた黒こげの死体があちこちに転がっていた。
なるほど、投下後の広島の状況に似ている。また、インダス文明の遺跡であるモヘンジョ・ダロの付近には、広範囲の砂が溶けガラス化した遺跡が存在している。一瞬にして高熱にさらされたのでもない限り、このような状況にはならないと言われているため、古代に起きた核戦争によってガラス化してしまったのではないかと言われている。
だが、このガラス化した遺跡については、正確な場所が明らかになっていないため、創作ではないかとする説もある。
果たして、かつてインドで、核戦争があったのだろうか?その技術はエイリアンによってもたらされたのであろうか。それよりむしろ、現代に通じる想像力と表現力を持った優秀なSF作家がいたと解釈するのが正しいのかもしれない。
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(山口敏太郎 ミステリニュースステーションATLAS編集部)
画像©ウィキペディア The snake sacrifice of Janamejayaより