西アフリカのマリ共和国サンガ地方に、ドゴン族という原住民族が存在する。彼らは古くからこの地に住み着き、文明社会とほとんど接触することのないまま20世紀まできたため、昔と変わらない生活を行っていた。
1946年、フランスの人類学者マルセル・グリオール氏は長年彼らと生活を共にし、長老から先祖代々伝わるドゴン族の伝説を聞き出すことに成功した。それによると、彼らの神は遠い星から地上に降臨したのだという。
空で一番明るく輝く星「シギトロ」には暗く小さな「ポトロ」が存在し、それは非常に重い物質「サガラ」出来ていてシギトロの周囲を約50年かけて回るという。
この「シギトロ」は全天で一番明るい天体であるおおいぬ座のシリウスのことである。
19世紀後半になって、シリウスの側に白色わい星であるシリウスBが存在する事が判明した。シリウスは-1.5等星と非常に明るいのに比べ、シリウスBは8.3等星と非常に暗く、肉眼では確認できない。
彼らはなぜ、現代に入って発見されたシリウスBを知っていたのだろうか?また、彼らは土星に輪がある事や、木星に4つの衛星が存在する事も知っていた。彼らは、この知識を前述の空から来た神によって教えられ、語り伝えてきたものであるという。
なぜ、近年まで現代文明と隔絶した状態だった彼らが天文学の知識を備えていたのか? 彼らに星の知識を伝えた存在は、異星人だったのではないか?
この謎は「シリウス・ミステリー」と呼ばれ、全世界に衝撃を与える事となった。
この謎に関して、1975年にイギリスの天文学者らがある仮説を提唱している。彼らの「伝説」に登場する星の神話は、いずれも20世紀初頭のものと近く、それより新しい情報は含まれていない。
例えば、現在では木星には16個の衛星があることが判明しているが、20世紀初頭では4個の衛星しか知られていなかったのである。
また、ドゴン族の近くにはイスラム系の人々が多く住むバンジャガラの町が存在し、彼らは19世紀頃から交流があったという。あくまで近代文明との直接的な接触が無かっただけであり、又聞きなどで間接的に外界の情報を得ていたのではないか。
そして、数年のうちに彼らの間に古来から存在した伝説に組み込まれ、定着してしまったのではないかとされている。
関連動画
Gods of the Dogon Tribe – Ancient Aliens
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
※写真はYOUTUBEからのキャプチャ