宮内洋は、『仮面ライダーV3』(1973)など数多くの特撮ヒーロー番組に主演・脇役などを演じた俳優である。
「秘密戦隊ゴレンジャー」でアオレンジャーを演じた際は、リーダーであるアカレンジャーをしのぐ人気を誇り、「キザなヒーローをやらせれば日本一」とも称されるほどに多くのファンを持つ。
1977年に放送された『快傑ズバット』で、主役の早川健を演じた宮内は、「君でなければできない」というオファーをもらったこと、何より先代もいない完全新規のヒーロー役ということで、並々ならぬ熱意で挑んだという。
事実、ズバットは彼のはまり役となり、宮内は自分で衣装を取りそろえるなど様々なアイデアを提案して人気に貢献した。また、色男ぶりも遺憾なく発揮された本作では、OPで彼がセスナから降りて”投げキッス”をしたシーンの際、カメラマンがぶっ倒れてしまったという逸話すら残っている。
実は、「ズバット」は宮内の活躍もあり毎回高い視聴率を記録していたものの、最後には打ち切りという形で終わってしまった。
この打ち切りの理由は、関連玩具の展開が不振であったということや、スポンサーであったタカトクトイスが降板したことが大きな要因であり、ズバットそのものが不人気だったわけではなかった。
そもそも、玩具の売れ行きが不振だったことについては、「ズバットよりも変身前の早川(宮内)の方に人気が出てしまったから」ではないかという説もある。
事実、本作は私立探偵である早川の活躍がメインとなって描かれており、変身後であるズバット自体の出番が全体的に少なかった。こうした点が、それまでの変身ヒーロー番組を覆すようなスタイルが、宮内という俳優の人気を高めた最大の要因だったに違いない。
【参考記事・文献】
・https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/9708.html
・https://renote.net/articles/231079/page/2
・https://magmix.jp/post/46095
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【文 黒蠍けいすけ】