世界中の神話を見ていくと、「空から神が降りてきて、人々に恵みを与える」流れが多く存在する。その恵みは食物などの物品であったり、よりよく暮らしていくための知恵や知識であったりと様々だ。
世界中で見られるこの神話は、当時の人々より優れた技術を持つ宇宙人がこの地に降臨して、彼らを導いていた事を示していると主張するオカルト研究家が世界中に存在する。
彼らは自分より優れた存在であり、天から降りてきた彼らを神のような存在として崇め、その姿を壁画や遺跡から出土する遺物に残したのだというのだ。
一見荒唐無稽に思える説ではあるが、確かに古代の遺跡から出土するものには、宇宙飛行士や宇宙人の姿を真似たように思われるものが複数存在している。
日本の熊本県山鹿市に存在するチブサン古墳には、古墳内の壁画に「天から降りてきた宇宙人の姿」が描かれているとして注目を集めた。
チブサン古墳は全長45メートルの前方後円墳で、古墳時代後期(6世紀頃)に建造されたと考えられている。装飾古墳として有名であり、玄室内には赤・黒・白の三色で幾何学模様などの壁画が描かれている。
玄室右側の壁には人が描かれているのだが、この人物が頭に三本の角があり、天に向けて両腕を掲げているように見えるのである。また、対角線に塗り分けられた四角形、複数の円が描かれており、これは宇宙からやって来た宇宙人の様子を描いたものだと言われているのだ。四角形はUFOの基地であり、複数の円は降りてくるUFOの姿だという。
だが、現在では他の遺跡や古墳に見られる壁画との比較や研究の結果、この人物は船上で祖先の霊や埋葬者の霊に対して祈りを捧げる巫女の姿であると考えられている。
チブサン古墳には、他にも大きな目の文様が描かれているが、こちらは悪霊を祓う魔除けのモチーフであるとみられている。
昔の人々の造形は、現代の我々では考えもつかないようなものが多い。だからといって、超自然的なものに安易に答えを求めてしまうのは早計なのではないだろうか。
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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熊本県:チブサン古墳(ちぶさんこふん) 山鹿市