かつて地球上を闊歩していた巨大な古生物、恐竜。約6500万年前に絶滅した恐竜たちの姿や生態について、現代の我々は発掘された化石から推測することしか出来ない。しかし、現在の生物たちと比べて遙かに大きな体や変わった特徴を持つ恐竜たちは、昔から我々に古代のロマンを教えてくれていた。
既に絶滅してしまったこの恐竜がどこかで生きていたら。そう夢見る人は昔から多かった。ある人物は創作の中で、地球のどこかで密かに生きていた恐竜を登場させ、ある人物は自分が目にしてしまった未知の生物に、恐竜の姿を重ねた。
流石に現代の地球に恐竜が生きている可能性は限りなく低いだろうが、では過去はどうだったのだろうか。我々人類の祖先が恐竜を目撃し、共存していた可能性はないのだろうか。
人類の祖先が地球上に生まれたのは、今から約600~700万年前。恐竜絶滅から遙かに未来の話だ。やはり、生きている恐竜の姿を人類が目撃していた可能性はないのだろうか。
だが、人類と恐竜が共存していた証拠ではないかとされる化石や遺物が発見されている。有名なものはメキシコのアカンバロにて発見された恐竜土偶だろう。だが、他にも「人類が恐竜の姿を目撃していない限り、作成は不可能」とされる遺物が存在している。
1961年、ペルーにて発見された「カブレラ・ストーン」だ。同年、ペルーを流れるイカ川が氾濫して地層が崩れた。すると、そこから様々な絵が描かれた奇妙な石が転がり出てきたのである。
黒い石の表面に精密な文様と共に描かれていたのは、人間と並んで収まっている恐竜の姿だった。ティラノサウルスやトリケラトプスなど、その姿を知らなければ描けないようなもの。
この石はペルーで診療所を営んでいたハヴィエル・カブエラ氏の元に届けられ、公開される。そして1967年に行われた学術調査の結果、石は1万2000年以上前のものであるという結論が出たのである。ということは、つい最近まで恐竜は生きていたという事になるのだろうか。なお、同じ鑑定結果が2004年に国立ペルー文化研究所によって出されている。
このカブレラ・ストーンに彫刻されている内容は多岐にわたる。
恐竜だけでなく、星座や天体図らしきものや、中には開腹手術を行っていると思しき図案も存在している。この地に住んでいた人々は、既に外科手術の方法を知っていたというのだろうか。
そんな衝撃的なオーパーツであるカブレラ・ストーンだが、残念ながら近年の創作物である可能性が非常に高いと見られている。鑑定した対象はあくまで石であり、石に絵が刻まれた年代が判明した訳ではない。
また、何年に見つかったかは解っているが、正確な日時や出土箇所が判明しているわけではない。そこで、現在では現地の人々が近代になって作成した民芸品のようなものである可能性が高いという結論が出ているのだ。
しかし、カブレラ・ストーンは非常に多く出土しており、また技術的にも地元の一般市民に描けるようなものではないとする意見も存在している。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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