讃岐の白狐です。
今回は、心霊ではなく未だに納得出来ていない不可思議な体験を投稿させていただきます。個人的な見解では妖怪のたぐいではないかと思っております。
今から7、8年前の午後23時頃の出来事です。場所は香川県高松市を流れる春日川(カスガガワ)付近。
仕事を終えて自車にて旧国道11号線を徳島方面に向かい、屋島の自宅に向かって一人で車を走らせていました。
田舎町の深夜の旧国道という事も有り、擦れ違う車両もまばらで、街灯の明りと大き目の広告看板を照らす明りの中、疲れ切った状態で走っていました。
前方にまっすぐ伸びるアスファルトをぼんやり眺めていると、突然、対向車側の車道に黒く大きな影が、水をまいたように広がるのが見えました。
右前方には或るトラック製造メーカーの工場が有り、その敷地から大きな黒い影が道路を横断している様に見え、「何の影だ?」と呟いた瞬間・・・その影には6本の足が有って、まるで巨大なゴキブリが道路を横断している様に見えました。
私は、余りの衝撃に急ブレーキを踏み車を停車させました。
すると、全身凍り付いた私の車の前をその影は6本の足を気味悪く動かせながら横断していきました。
全長は4m程に見えました。
動悸が治まらず、凍り付いたままだった私は我に返って思わず振り返りました。深夜とは言え、国道で急ブレーキをかけた事を思い出したのでしたが、不思議な事に対向車線を含め、車両は私の車以外一台も見えませんでした。
冷静さを取り戻した私は、辺りを見渡しました。私は春日川に掛かる短い橋の中間に車をとめており、そのゴキブリに似た影はどうやら道を横切って河川敷に下りていったように思われました。
私は車から降りる勇気も無く、運転席から河川敷の方を眺めました。
すると、先程振り返った時には気付かなかった灯りが後方に見えました。後方の橋の袂から河川敷に沿って凄い数の夜店が連なり、煌々と屋台の明りが河川敷を照らしていました。
ただ不可思議だったのは、通行人や夜店を商う人の姿は見られず、ただ無人の屋台が連なっていた事でした。橋の袂には「ぽっくり地蔵」と書かれた小振りな社が見えていましたが、時間的にも有り得ないと思うと同時に私は逃げるように現場を離れました。
帰宅して妻に話しましたが「ふ〜ん」と聞き流され、友人に聞いて回りましたが、そこでお祭りが行われるなんて聞いた事が無いと不思議がられただけでした。
走行車が気付くと自分だけだった事や巨大なゴキブリの影が道路を横切った事、誰もいない夜店の列など何一つ納得出来ない事だらけで今尚不思議です。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 讃岐の白狐さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 photoAC