スピリチュアル

「ダンナの弟さんの話」

私は2003年に地元の八戸市で結婚式をしました。東京でフリーカメラマンをしていた、ダンナの弟さんが、結婚式の写真を撮ってくれました。

その時の弟さんは、何か透き通っているような、現世の俗っぽさが無い、カトリック教会にある聖像の様な感じがしました。

そう思って、弟さんを見ていたら、私の兄も私よりずっと霊感が強い(兄自身、自覚無い)その兄が、弟さんを見て、「この世から少し浮いている」とか「子鹿物語のホダウィング(夭折する男の子)みたい」だ、なんて言ってきて、私と兄で「何言ってんのー」と笑いあったりしました。

弟さんは、結婚式のあと、私のアパートに寄ってくださり、当時飼っていたセキセイインコのミーちゃんをすごく可愛がってくれました。

そんなこんなで、弟さんは東京に帰って行きました。

それからちょうど1ヶ月たった日に前から腫瘍が出来ていたセキセイインコのミーちゃんが、具合いが悪くなり、危険な状態になりました。

私はあわてて、どうしたら良いかパニックして、ミーちゃんを手にして、入浴中のダンナのところに、持って行きました。すると、浴槽に浸かってるダンナと私に見守られながらお風呂場でミーちゃんは亡くなりました。

それから2日して、ダンナのお母さんから電話がありました。弟さんと連絡が付かないとパニックしているのです。

アパートの管理会社に部屋に見に行ってもらうことになりました。

私は、その時、お義母さんには悪いけど、29歳にもなる息子とたった2日連絡が付かないくらいで、何を騒いでるのか、と内心思っていました。

でも、お義母さんの胸のざわめきは当たっていました。弟さんは、千葉県松戸市のアパートのお風呂場で亡くなっていました。溺死でした。

私たちは上京して、ダンナが松戸警察署で遺体確認をしました。

検視の結果、2日前くらいに亡くなったとのこと。遺体からはアルコールが検出され、お酒を飲んで浴槽に浸かったための溺死だと結論づけられました。

亡くなったのは、インコのミーちゃんがお風呂場で亡くなったのと同じ日です。

私は誰にも話せませんでしたが、弟さんがとてもかわいがってくれたインコと同じ日に、場所は違えど、同じお風呂場で亡くなるなんて、何かお知らせ的な事だったのかなぁと、考えてしまいます。

余談になりますが、弟さんが亡くなったアパートへ片づけに行きましたが、そのアパートは、部屋数もあって、立派だったんですが、外壁全面に黒カビが生え、建ってる土地も、すり鉢状で、部屋には古いお札がはってあって、とても薄気味悪いアパートでした。

私たちが片づけしてる間、近所の人が数人集まって、ジロジロ見ていたのも、気になりました。なんかいわくつき物件だったのかなぁなんて今になって思います。

その後・・・

松戸市で火葬して八戸市でお葬式をしました。お葬式後、ダンナ実家で、親戚や友人たちが、集まってお茶を飲んでいる時、私は『あ!弟さんだ』と透明な存在に気がつきました。姿は見えないのですが、例えるなら映画『プレデター』の宇宙人の透明状態のような感じ。

和室にいたり、居間にいたり、弟さんは家の中をあちらこちら移動して、しばらくいました。たくさんの人が集まって自分の話をしているのを、うれしそうに恥ずかしそうにしているのを感じました。

「あーあ、俺、死んじゃった」って思っている感じでした。周りは、29歳の急な死に、とてもショックなのに、当の本人は飄々としていました。

それから2回、弟さんは私の夢枕に立ってくれました。

1回目は、私に「カメラはどこにあるの?」って、訊いてきました。

弟さんはカメラマンだったので、気になっていたようで、私が「お義父さんが防湿庫買って、カメラちゃんとそこに入れてるから、カメラ大丈夫だよ!」って言ったら無言で安心した顔をしていました。

2回目は、弟さんが来たので呼びかけようとしたら、私と弟さんは、ハリー・ポッターに出てくる様な洋風な図書館の中にいて、そこは、たくさんの人が行き交っていました。

弟さんは何も言わずスーッと歩いて行ってしまいました。弟さんに近づいた時、とっても良いお花の香りがしました。その香りは今でも思い出せます。

それからは、もう弟さんには会っていません。

今でもカメラは撮影途中のフィルムが入ったままダンナ実家の防湿庫の中にあります。何が写っているのかなぁなんて、ふと考えてしまいます。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 コロルさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

alandsmannによるPixabayからの画像