スピリチュアル

「不思議な体験集」

アトラスラジオでもとりあげていただいた私の祖父ですが、戦争中に稲荷さんに助けていただいたエピソードの他にも、戦争中にもう一つ興味深いことがありました。

それは、夜の歩哨に立っていた時のことです。

祖父が見張りをしていると、前方で影が動いて、それは人の形となりユラユラとこちらに近づいてきたそうです。

軍隊の決まりでは、歩哨に立っていて人がきた場合、『誰か?』と誰何し、三回きいて返事がない場合は発泡しても良かったようです。

そこでこの場合も祖父は誰か!と声をかけましたが、人影は返事をすることもなく、揺れていたのだそうです。結局3回きいても返事がなく、祖父は銃を向けました。すると、影はスーっと消えてしまい、そこには誰もいなかったそうです。

それははたして幽霊だったのか、戦争という極限の状態が感覚に異常をきたしたものかは定かではありませんが、祖父曰く、『しょっちゅう出てきたし俺以外も見えていて、みんな、ああ、また幽霊か』としか思わなかったとのことでした。

これは戦場にいった人でないとわからない気持ちなのかも知れません。

そして次は、その祖父と自分との繋がりを感じられるお話です。

今となっては詳しくはわかりませんが、祖父は元々連れ子だったようです。従って祖父は自分の本当の父親というものを知らないまま人生を送っていました。

別にそれが原因で養父にいじめられたということはなかったのですが、やはり墓参りなどがあると、自分の先祖代々のお墓というものがなかったことを気にしていたとのことでした。

当時、私の家族は東京の旗の台というところに住んでいました。あるとき旗の台の近くの荏原町駅すぐそばにある神社、法蓮神の神主さんに祖父がそのことを相談したようです。

すると返ってきた答えはこうでした。

『それではお寺にある無縁仏に向かってお祈りするのが良いでしょう。きっと、亡き両親にその祈りは通じます』というものでした。

それから祖父や母たちは法蓮寺の無縁仏に向かって祈るようになりました。

その後、母がまだ幼い私を連れて法蓮寺に向かおうとした時のことです。

電車が駅についてドアがあいた瞬間、私は突然何かに向かっているかのように突然歩き出しました。母は私の様子に異変を感じましたが、なにかを感じたのでしょうか。私を止めず、危険がないように真後ろからくっついて私が何処へ行くのかあとからつけたそうです。

私は駅を出て法蓮寺に行き、真っ直ぐに無縁仏に向かうと、そこに正対し、じーっと墓石を眺めていた。とのことです。

まるで、なにかが私をそこに連れてきたような、いやそうとしか思えないようなことが起こったのです。補足しておくと、私はそれまでこの神社に来たことはありませんでした。

私が3歳位の時で、この時の記憶は実は一切残っていません。全てあとから母からきいたものです。

この記憶が残っていないのが残念ですが、母は後に私に『あんたはおじいちゃんの祖先が守ってくれているんだよ』といってくれたのを覚えています。

また、学生の時には金縛りなどもありました。

最初は中学3年生の時ですが、そのときは動けない自分に向かってどこからかお経がきこえてきました。動けない中、最初はなにか機械のモーター音がするなと思っていたら、その音がどんどん大きくなり、やがてお経に変わっていきました。

あれは怖かったですね。一所懸命動こうと努力し、どうにか自力で金縛りをといた時にはお経は消えていました。本当に謎です。

そのあとは高校2年生?(1年だったかも)の時にも変なことがありました。

私の部屋は家の中2階にあり、誰かが部屋に来るときは、階段をトントンあがってくる音がするので直ぐにわかりました。

ある夜、寝ていると、誰かが階段をあがってくる音がします。半分意識は寝ていましたが、『ああ、母があがってきたのかな』などと考えておりました。

しかしそのあと、階段を登る音が消えてから特にドアをあけることもなく、また階段を降りるおともなく、まるで階段を登った者が、その場で消えてしまったかのように、なにも起こらなかったのです。

あれ?と思いましたが、きのせいかと思いそのまま寝てしまいました。

気のせいではなかった!と感じたのは、その現象がその後何度も起きたからです。

とにかく、寝ていると誰かが階段をあがってくる。音が止む。が繰り返されるのです。なにがあったわけでもないですが、不気味だなと思っていました。当然家族にもききましたが、そんなことは知らないと言われました。

そして、ついにそのなにかわからない者は自分の部屋まできたのでした。

ある夜、私は変な夢を見ました。

夢の中で、私は金縛りにかかっていました。動けないなあと思っていると、なにかが私のベッドを見下ろすように立っていました。不思議なことに(夢なので不思議は当たり前でしょうが)、目は閉じているのになにかが立っているという感覚ははっきりするのです。

距離も身長もわかりました。そして階段をあがってきていたのはこいつだということも、なんの根拠もないですが理解できたのです。そいつはじーっと私を見下ろしているだけで、特になにもしてきません。

しかし不気味なことこのうえなく、とにかくなんとかならないかなと思っているうちに、意識もなくなり、私は朝を迎えました。

あれは夢か現実か。

そんなことを思っていると、母が私に向かって『あんた、昨日外で騒いでた?』ときいてくるのです。どういうことかきいてみると、私の部屋の方から、夜中に誰かのはしゃぐような声が聞こえてきたというのです。

当然、その時間私はあの変な夢をみていたのでそんなことはしておりません。その怪異はそれっきりで終わりましたが、今でも不可解なこととして思い出します。

最後におまけとして、なんだかほんわかするようなお話を一つ。

これは数年前に西日本を旅行していたときのことです。

初夏の奈良県明日香村。古代遺跡のあるのんびりした村をとぼとぼ歩いてお寺巡りをしていた時のことです。その日は晴天の暑い日でした。
道を歩いていると、私のすぐ後ろでなにか動物が歩く音がします。

なぜ動物とわかったかといえば、犬の散歩の時にきく、アスファルトを爪でひっかくようなチャッチャッっとした音がするからです。

リュックにもそんな音のするものはぶら下げてないし、あったとしても突然音がするわけありません。後ろを振り向いてもなにもおらず、また歩くと音がします。完全に真後ろから動物のようなものが歩いているのです。

しかしのどかな雰囲気のせいでしょうか。一切怖いという気持ちは起こりません。ああ、なにかが一緒に歩いているんだなと軽く感じる程度です。

そのうちに私は目当ての飛鳥寺に到着し、参拝してから外に出ました。すぐに通り雨に降られ、都合よくきたバスにあわてて飛び乗ります。

もうその時には、動物?の音は完全になくなっておりました。おそらくはお寺に残ったのでしょう。または、私がお寺にいくのを案内してくれたのか。不可解ですが、どこか田舎の香りがして大好きな体験です。

今回はこんなお話でした。話の舞台があっちこっちに飛んでいて読みづらかったかもしれませんが、お許し下さい。

長文失礼しました。それでは。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 KYさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 photoAC