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「ウルトラマン」の初期設定は青色だった?採用されなかったどうにもならない事情

ウルトラマンと言えば、赤と銀の配色が施されたデザインを思い浮かべるだろう。中には、ウルトラマンティガやウルトラマンコスモスのような青が追加されているもの、もしくは青と銀のみのもの存在している。

平成以降、赤と銀であることが少なくなっているウルトラマンであるが、それでもやはり赤色が象徴的な配色となっていることは確かだ。

ところが、ウルトラマンは当初「青」になっていた可能性があったという。

ウルトラマンの体色は、まず銀がベースとなることが最初に決定されており、これは宇宙ロケットのイメージを元にしたものであるという。

では、我々が真っ先にイメージするようなあの赤色のうねり模様はなんであるのかというと、火星の模様なのだという。古くからSFにおける重要なモチーフとして用いられる火星はウルトラマンにおいても健在であり、ウルトラマンの放つスペシウム光線のエネルギー源「スペシウム」も、劇中では火星に存在しているという設定がある。

その肝腎の色なのだが、このデザインを務めた成田亨はこの模様の色を赤と青いずれにするかで非常に迷っていたという。結果的には赤となったわけだが、この赤になった事情は「火星らしい色だから」とか「子供が好きな色だから」とか、そういった理由ではなく、どうやら撮影現場での事情によるものであったようだ。

理由は大きく2つ。一つはウルトラマンが空から飛んでくる際に、体色が青では目立たなくなってしまうということからであり、もう一つはずばりブルーバックの存在だ。ブルーバックは、映像合成の際に使用される青一色の背景であり、通常その青い部分が透過されて別の映像に差し替えられることで合成される。

つまり、ウルトラマンが青い色では体が透過されてしまうという問題が発生してしまうことになる。

実は、過去に「クロマキー効果」と呼ばれるこの現象によるミスなどはいくつかあり、例えば映画『地球防衛軍』に登場した戦車がこれによって車長が透けてしまっているシーンがあったと言われている。

また、近年では2016年にインターネット気象情報番組「SOLiVE24」にてガチャピンが登場した際に、この効果によってガチャピンの体が画面と一体化してしまうという放送事故が話題となったことも記憶に新しい。

ともかく、この青空とブルーバックという事情から、ウルトラマンの体色は赤色として採用されることとなったが、実は次作であるウルトラセブンでも青の候補が浮上していた。

これは、セブンのスーツアクターを務めていた上西弘次の体格が、スラリとしていたウルトラマンのスーツアクターである古谷敏と異なりがっしりとしていたため、全体をスリムに見せるため青を使用する案がなされていた。だが、結局同様の事情によってセブンも赤に決まったという。

ちなみに、その後1990年代半ばに放送された『電光超人グリッドマン』からブルーバックではなくグリーンバックが用いられるようになったことで青色が使用可能となり、これによってのちに青色のウルトラマンコスモスなどが実現可能になったという。

【参考記事・文献】
https://togetter.com/kiji/2016/02/05/32772
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14229898669
https://news.infoseek.co.jp/article/magmix_262462/#goog_rewarded
https://magmix.jp/post/262771

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【文 黒蠍けいすけ】

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