【虚舟の掛け軸】
密閉された舟に押し込まれた女性が茨城の沿岸部に漂着して騒ぎになったという、虚舟伝承がある。その舟を蚕に見立てて、やがて生糸を生み出す金色姫の信仰に繋がったと考えられる。
この掛け軸は、そんな金色姫信仰に変化した後に描かれたものではないだろうか。
【虚舟とは】
常陸国の舎利浜と呼ばれる土地の海岸に流れ着いた奇妙な漂着物。中から、木箱を持った見たこともない衣装をまとった女性が現れたが、言葉も通じず再び舟に乗せて流したと言われている。
UFOおよび異星人という説で語られることも多い。各地に類似した話が伝わっており、近年では「兎園小説」に記されていた虚舟の漂着地が現在の茨城県神栖市波崎であることが判明したことでも話題となった。
(写真:大内かっぱハウス2F 山口敏太郎妖怪博物館)