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「ハリー・ポッター」にはもう一人の主人公が存在していた?

ハリー・ポッターは、イギリスの作家であるJ・K・ローリングによって発表された小説シリーズである。全7巻に渡るシリーズは、史上最も売れたシリーズ作品としてギネス記録を保持しており、映画作品としても爆発的なヒットとなった。小説は2007年、映画シリーズは2011年公開をもって完結しており、2014年からはユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて再現エリアが設けられている。

11歳の誕生日を迎えたハリー・ポッターのもとに、魔法使いの素質があるという理由からホグワーツ魔法学校の入学案内が届く。入学した彼の、魔法学校で起こる数々の不思議な事件を解決しながら、仲間たちとの心の成長を描き、因縁の敵・史上最悪の魔法使いであるヴォルデモートとの壮絶な戦いへと向かっていく。

本作の主人公と言えば、当然ながらそのタイトルにも冠されているハリーであり、丸眼鏡をかけた緑色の人見を持つ人物として象徴的である。映画製作時、この役に合う人物を探し出すのにスタッフが大いに奔走し、さらには原作の瞳の色を再現するためにコンタクトレンズを検討したものの、アレルギー持ちであったために断念してしまったという逸話が残っている。

ハリーは、幼い頃に魔法使いであった両親をヴォルデモートに殺されている。シリーズ第5段「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」では、占い学の教授のシビル・トレローニーによってヴォルデモートを打ち破る力を持った存在の予言がもたらされる。その内容は要約すると、それは「闇の帝王と3度戦った両親」を持った「7月末生まれ」の者であり、この条件に合うのがハリーだったのだ。


ところが、本作ではもう一人子の予言の条件に当てはまる人物が存在していた。それは、同じくホグワーツ魔法学校の生徒であったネビル・ロングボトムだ。当初は、薬草学に精通する物静かである一方、自分に自信がなく不器用な少年であった。しかし、ハリーたちの校則違反を止めようと立ち塞がる場面をはじめとして、成長するとともに徐々に忍耐力と勇敢さを備えていった存在でもある。

ネビルの両親が、不死鳥の騎士団の団員としてかつてヴォルデモートと戦っているということも含め、ハリーとネビルはその誕生日が1日違い(ハリー:7/31生、ネビル:7/30生)で共に7月末ということが、共に予言された存在であることの証拠となっている。

また、予言以外にも両者には共通する点がある。「ハリー・ポッターと秘密の部屋」にて、魔法生物である大蛇・バジリスクと戦っていたハリーの組分け帽子の中から「グリフィンドールの剣」が現れた。この剣は、決して模倣することのできない剣で、強い魔力を吸収する力を持つものであり、最大の特性は「真のグリフィンドール生の前に現れる」というものだ。

このグリフィンドールの剣は、なんとシリーズ最終作「ハリー・ポッターと死の秘宝part2」にてヴォルデモートのペットである大蛇・ナギニを倒す際にネビルのもとに現れた。この時、ハリーたちはヴォルデモートが不死の能力を獲得するために作り上げた分霊箱を破壊する旅に出るため、ホグワーツを退学している状態であり、グリフィンドールの生徒ではなくなっていた。

そのため、ナギニと対峙した際のハリーの前に剣は現れることがなかった。しかし、その剣が現れたネビルもまた、「選ばれた人間」であることを示していることが判明したということだ。

ヴォルデモートを破ることのできる予言の子は2人存在していた。しかし、予言にはもう一つ、「ヴォルデモート自らが比肩した者」つまり彼に選ばれた者こそが打ち倒せるという条件が備わっていた。そして、実際に選ばれたのは、ネビルではなくハリーの方であった。

理由は、純血主義的で混血を見下していたヴォルデモート自身が混血の魔法使いであり、純血のネビルではなく混血のハリーに自分を重ねたのではないかとの推測が本編内でもなされていた。結果として、予言の通りにヴォルデモートはハリーに敗れ、魔法大戦は終焉。

本作ではハリー視点で物語が進行しているものの、ネビルは”第二の”主人公でもなくダブル主人公と見ても良かったほどの逸材であっただろう。作者をして「ヴォルデモートがネビルを選んでいても、ネビルは勝利したでしょう」と言っていたのが、その最大の証と言っても良い。

本作において、最も人間的な成長を遂げたのもネビルであったと言われている。しかし、運命はたった一人の選択によって決定づけられたのだ。

【参考記事・文献】
ダニエルラドクリフの目の色がハリーポッター原作と違う!目の情報まとめ
https://celeby-media.net/I0000748
ネビル・ロングボトム
https://harrypotter.fandom.com/ja/wiki/%E3%83%8D%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%A0
ハリーポッター予言の子はハリー?ネビル?不死鳥の騎士団でトレローニ予言
https://www.koregasiritai.com/trelawney-prophecy-neville/
ネビル・ロングボトムの前にグリフィンドールの剣が現れた理由はなぜ?
https://11kamone.com/harrypotter8-story-4248#i

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【文 ZENMAI】

画像 ウィキペディアより引用 Matthew Lewis as Neville Longbottom