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ボリビアの高地に残る「プマプンク遺跡」の巨石加工技術は今も謎だらけ

プマプンクは、西ボリビアの標高4000m近い地点に存在する遺跡。三つの基壇を持つピラミッド状の寺院跡だと考えられており、その規模は南北およそ210m、東西およそ132mにも及ぶ広さで、加工された石版や石ブロックがいくつも散乱している。プマプンクとは「ピューマの門」を意味している。

プマプンクからさほど遠くない地点には、世界遺産にもなっている「ティワナク遺跡群」がある。最も標高が高い場所に位置する遺跡とも言われており、紀元前200年頃にティワナク文化が起こり、その後1400年もの長きにわたって繁栄を築いたと言われている。

特徴的なのは、石造建築やその加工技術などであり、ピラミッド型の建造物跡である「アカパナ」、遺跡中心にある広場「カラササヤ」、その隅に配置された一枚岩の門である「太陽の門」、そして180もの数の顔をかたどった石が突出した壁面がある「半地下神殿」などが有名だ。この技術はのちに、インカにも多大な影響を与えたそうである。

ティワナク遺跡の近くにあることから、当初はプマプンクもこの文化に基づいて築かれた遺跡の一つだとも考えられていた。しかし、いくつかの点からそうとも言い切れない結果が導き出されている。

第一に、プマプンクの成立年代がティワナク文化の栄えた時期よりもはるかに古いのだ。 1945年に考古学者であるアーサー・ポスナンスキーが主張したところによると、プマプンクの成立はなんと紀元前1万5千年前にまで遡り、ティワナク文化が起こるよりはるか昔。

また、ティワナク遺跡の石造技術に比べるとプマプンクの技術はそれを遥かに凌駕する技術だとも言える。プマプンクで使用されている石は、安山岩という非常に硬い石であり、現在の技術をもってしても加工はかなり困難なものであるといわれている。

にもかかわらず、プマプンクに散乱しているそれらの加工が施された巨石には、H型に加工されたブロックをはじめとして、曲がることなく直線にひかれた溝が施されたものや等間隔に並ぶ小さな穴といったような極めて幾何学的ともいえる精密な造形が施されている。その上、表面が天板のように滑らかな仕上がりになっているというのも大きな特徴だ。

これらの加工された巨石の数々が、何のために用いられたのかはわかっていない。それと同時に、この加工技術すら現在でもその理由が解明できておらず、まさしくオーバーテクノロジーとでも言えるような存在である。

さらに、これらの巨石の中には100tを超えるものが珍しくない。この巨石がどのように運ばれ、そしてどのように組み合わされたのか、その建築方法すらも謎に包まれている。丸太を敷き詰めてローラー状にし、それに巨石を乗せて運搬する方法があるのではないか、との意見もあるだろうが、標高約4000m地点では木々が生えないためにこの方法は使えないという。運河を利用したのではとの説もあるが、これも可能性は乏しいと言われている。

現地の先住民アイマラ族によると、ティワナクは彼らの先祖が作ったものであるとは認めているものの、プマプンクについては先祖の作ったものではないと主張しているという。そのため、古代に宇宙人が地球に飛来して高度な技術をもたらしたのではないかという説や、あるいは巨人が巨石を運んで組み立てたのではないかというような説まである。

因みに、アンデス一帯には「ビラコチャ」伝説と呼ばれるものが語り継がれている。アンデスの民に農業や牧畜を授けた創造神ピラコチャが、石から巨人を作った結果、のちに巨人同士が争うようになったことで、世界に大洪水を引き起こした。箱の中に入っていた男女2人だけが生き残り、その後ビラコチャは人の姿となってチチカカ湖に降り、ティワナクを拠点としてアンデスの各地に知恵を伝授し、そして海へと消えていったという。

この伝説は、あまりにも先の古代の宇宙人説や巨人説にも合致している点で興味深い。プマプンクの解明は、果たしてなされる日は来るのだろうか。

【参考記事・文献】
プマプンク遺跡――失われたオーバーテクノロジー
https://okakuro.org/puma-punku/
世界遺産 ティワナク遺跡
https://tabicoffret.com/article/80677/#a7
「プマプンク」超古代に存在したハイテクノロジーの証拠
https://curiosity-z.hatenablog.jp/entry/PUMA_PUNKU_add
永遠の謎:ボリビアの古代遺跡「プマプンク」
https://x.gd/OljH8

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【文 ナオキ・コムロ】

画像 ウィキペディアより引用