2022年に公開された映画『Nope』は、カリフォルニアの人里離れた場所に出現した奇妙な雲が、登場人物たちの生と死を分けるというゾッとするような状況に追いやった非常に邪悪な存在であることが明らかになる、という内容。
しかし、このようなものは現実に存在するのだろうか?
ニュージーランド上空で撮影された奇妙な「ペット雲」は、おそらく「Nope」の実物に最も近いものと言えるだろう。
「タイエリ・ペット」として知られるこの奇妙な場違い雲は、高積雲立脚レンズ雲(ASLC)と呼ばれる直径約8kmに及ぶものであり、特定の大気条件が発生するとニュージーランドの南島上空、オタゴ地方に繰り返し出現することで注目されている。
しかし、この雲は異常現象、ましてや異世界の存在というわけではなく、実際には近くの山を通過する空気の波が水蒸気を凝縮させた結果に出現する現象である。「空気の波が頂上で雲が形成されると上空で静止し、さらにそこから吹き抜ける強風によって形作られるのです」と気象学者のジョン・ローは説明した。
「タイエリ・ペットの出現は、大気圏内で強風が注がれていることを示す大きな指標となります」
どうやら、人食い宇宙怪獣ではなさそうである。
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【文 ZENMAI】
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