テレビアニメ『ドラえもん』で26年もの長期間に渡って「ドラえもん」の声を演じた大山のぶ代さんが9月29日に老衰のため亡くなっていたことが、所属事務所より公表された。90歳だった。
テレビ朝日版『ドラえもん』の初代ドラえもんの声で親しまれており、現在でもドラえもんの物真似といえばほとんどこの「大山版」であるほど浸透している。
元々自身の声にコンプレックスを抱いていたが、作者である藤子・F・不二雄先生から「ドラえもんはああいう声をしていたんですね」と言われたことで克服したという。「ぼくドラえもんです」という挨拶や「フフフフフ」という笑い方は彼女のアドリブで誕生した。
声優としては『サザエさん』の初代磯野カツオや『ダンガンロンパ』のモノクマも担当したほか、料理研究家といった活動もしており、かつては『太陽にほえろ!』の脚本を5本執筆したこともあったほどにマルチな活躍をしていた。
穏やかな声からはイメージとは裏腹に芸や仕事に対しては非常に厳しく、あるテレビ番組にて声優になるという企画で彼女が講師として呼ばれた際には、あまりの厳しさに芸人たちから「デビルドラえもん」などと呼ばれたほどであったという。
2ヶ月前には、野比のび太の声を担当していた小原乃梨子さんも逝去しており、テレビ朝日版『ドラえもん』の主要メンバー初代声優陣では、源静香役の野村道子さんが現在唯一の存命となった。
(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『ぼく、ドラえもんでした。』