怪談

フロントガラスに無数の手形が!「キャシー中島」が体験した小坪トンネルの怪異

神奈川県の鎌倉氏から逗子市の間に存在する小坪トンネルは、関東における心霊スポットの中でも非常に有名なものの一つである。

小坪トンネルという名称は、正式には6つの隧道を総称した呼び名であるとされ、中でも特に心霊現象・心霊体験が多く報告されるのは、そのうちの小坪隧道である。

地元では「バケトン」と呼ばれ恐れられているとのことだが、川端康成の小説『無言』の中にも幽霊が出るトンネルとして登場、少なくともこの小説が世に出た1953年時点では既にバケトンとしての評判が広まっていたと考えられる。

小坪トンネルにてよく解説される心霊現象というと、走行中の自動車のガラスに手形が付く、フロントガラス越しに女性が覗いてくる、ボンネットやフトロントガラスに女性が落ちてきた、といったものがあり、それが原因でもあるのか謎の事故が多発するトンネルとも言われている。

この小坪トンネルの逸話として広く知られているものといえば、キャシー中島の体験談だろう。

中島は、タレント、そして日本におけるハワイアンキルトという手芸手法の第一人者とも言われる創作者として活躍する人物であるが、この小坪トンネルにおける恐怖体験は非常に有名である。

この彼女の体験談における話の流れについては、紹介するサイトや媒体などによって部分的にいくつも差異が見られるが、大まかには次の通りである。

ある時、彼女がタレント仲間と自動車で走行中に小坪トンネルへ入ると、突然にドンッという衝撃音のようなものが響いた。岩が屋根に落ちてきたのかと思い急ブレーキをかけると、その車のフロントガラスには無数の手形が付いており、皆驚いて車から逃げ出した。

その時、ある一人の仲間がいないことに気付き、車へ戻ってみるとそこには完全に精神に異常をきたしていたその人物がおり、現在もなお入院したままであるという。

展開としては、トンネルの中で車が急に止まった、前方に青白い光が見えたかと思うと車の方へ向かってきておりそれがフロントガラスに当たった途端に無数の手形が付いた、アクセルを踏み込み急いでトンネルを出て近くにあるガソリンスタンドに逃げ込んだ、といったようなパターンがあり、いずれが正確であるかは定かではない。

だが、1970年代より中島本人がテレビなどで幾度か話したことがある体験談ということは間違いないことであり、またこの話は「無数の手形がフロントガラスについた」という定番のトンネル怪異の元になったという説すらある。

また、この中島のトンネル怪談にはさらに元となった話があるのではないか、との意見がアトラスラジオに寄せられたことがある。それは、若い頃の彼女と交際があったという某年配の男性の知り合いというリスナーからのお便りであった。

その男性が昔、いわゆる”おくり人”をしていた頃のこと、遺体の早急な運搬をするために廃道や廃トンネルを通ることが多かったそうであるが、廃トンネルに入っていくとたびたび車が止まってしまうことが起こっていたという。

足を何かが掴んでいるような感触もあり、般若心経を必死になって唱えるとその感覚は消えて車も動き出したという。自分の姿を遺族に見られたくないという死者の思いが、そのような現象を起こしていたのではないか、とのことだ。

この男性の奇妙な体験を、当時付き合っていた若かりし頃の彼女が耳にし、その話の舞台を小坪トンネルにして内容を組み立てたのが、かの有名な体験談だったのではないか。それがこの見解であるという。

これについて真相は不明でありあくまで仮説となっているが、少なくとも彼女のこのトンネルの話が、その後のトンネル怪談に大きく影響を与えたのは確かだろう。

【参考記事・文献】
小坪トンネルは鎌倉と逗子を結ぶ心霊スポット!住所や火葬場について紹介
https://tabigo-media.net/kotsubotunnel/
小坪トンネルは事故も多発の心霊スポット!恐怖の心霊体験の数々をご紹介
https://leisurego.jp/archives/269154#i-2
キャシー中島の怖い話『車のフロントガラスに手形』
https://nazolog.com/blog-entry-4155.html
【お便り】キャシー中島さんのトンネル怪談、人の飲み物に毒物を入れる人怖怪談
https://www.youtube.com/watch?v=eYqkGkB3Fus

【アトラスニュース関連記事】
事故を誘発する白い女が現れる?大分県臼杵市「六ヶ迫トンネル」の怪異

サカサマの女が出現?!墓地の下を通る渋谷区の心霊スポット「千駄ヶ谷トンネル」

【アトラスラジオ関連動画】
【お便り】キャシー中島さんのトンネル怪談、人の飲み物に毒物を入れる人怖怪談

【文 黒蠍けいすけ】

画像  YATA! / photoAC