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古代ギリシャに自動ロボットが存在した?!技術者「ヘロン」の驚くべき発明

アレクサンドリアのヘロンは、紀元1世紀に活躍したギリシャ人技術者である。数学の分野においても「ヘロンの公式」と言ったものが残されているほど、数学および物理学にも長けており、測量術や幾何学の研究をはじめとして、力学や気体・蒸気を応用した装置についてを記した著書などを多数残している。

ヘロンが発明したものは、現代で活用されているものの原型となったものが非常に多いと言われている。

例えば、熱による空気の膨張を利用した「神殿の自動ドア」、コインを入れるとてこの原理で聖水が出てくるいわば「自動販売機」、蒸気の力を利用して水を上げる世界初の蒸気機関とされる「アイオロスの球」などと様々だ。こうした後世へ受け継がれたと言っても過言ではない発明の数々を世に送り出し、現代では発明家もしくはからくりの天才とも呼ばれている。

そして、驚くべきことに彼は「ロボット」をも発明したと言われている。それは、西暦60年ごろに発明された世界で最初のロボットであったと考えられているという。

このロボットは、像にロープや3つの車輪、車軸やピンなどを駆使して製作された移動のできるものであり、イメージとしては日本のからくり人形に近いものといって良い。そして、ヘロンのロボットの最大の特徴は、現代風に言えば「プログラミング」可能であったということだ。これは、ロープの巻き方などを変更することで、ロボットが異なる行動をするという精巧なものであったという。

今日において、ロボットには数多くの用途が検討・実践されているが、ヘロンがロボットを発明した理由はもっぱら娯楽のためであったとされている。ヘロンのプログラム式ロボットは、ステージ上を走り回るいわば「自動(オートマタ)人形劇」という形で観客を大いに喜ばせたと言われている。

なお、このヘロンのロボットは2007年に英国の科学者が複製を試みたことがある。息子の使っていたキックボードの車輪を拝借し、その他おもちゃの部品をいくつも用いたことで再現は成功した。子どもたちの評価がどうであったかは定かではないが、ヘロンのシステムは現代でも十分に通用するどころか、複製に複製を重ねて受け継がれているという事実も明確となった。

彼の発明は、後世の自動技術(オートマタ)に多大な影響を与えたことは間違いない。現代のオートマタの起源の多くは、アレクサンドリアのヘロンが生み出したと言っても過言ではないのだ。

【参考記事・文献】
19世紀のロボット (オートマタ)
http://www.musemuse.jp/Musemuse_Comment/comment_automata.html
A Robot is Born: Heron’s Programmable Robot
https://medium.com/tech-is-a-tool/automation-herons-programmable-robot-f044ee25620a
古代ギリシャに自動ドア!?からくりの天才「ヘロン」
https://www.nogizaka-ip.com/4449/
世界最古の自販機は古代エジプト、神殿で聖水を売っていた?現存する日本最古は?
https://globe.asahi.com/article/14869221
古代ギリシャに自動ドア!?からくりの天才「ヘロン」
https://www.nogizaka-ip.com/4449/
古代ギリシャの「プログラム可能ロボット」複製を製作
https://x.gd/fOSV8

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【文 ナオキ・コムロ】

画像 ウィキペディアより引用