カミカゼシロアリ(ジバクアリ、バクダンオオアリ)は、敵を殺すことができる防御装置を備えている。
ネオカプリテルメス・タラクア(neocapritermes taracua)という名が付けられたこの昆虫は、青い斑点のついた「リュックサック」を背負っており、その中には自分の意思で爆発させることのできる有毒液体が入っている。フランス領ギアナに生息するこのシロアリを研究していた研究者たちは、彼らが脅威を感じるとその液体を爆発させることを発見した。
さらに調査を進めると、シロアリの腹には特殊な腺があり、そこから青色ラッカーゼBP76という酵素が徐々に分泌され、背中のポケットに溜まっていくということがわかった。年齢とともに、シロアリは銅を含む青い結晶で満たされた「リュックサック」を作り上げる。
脅威にさらされると、彼らは体を破裂させ、唾液腺の液体と酵素を混合する。その結果、捕食者を動けなくしたり殺したりすることができる非常に有毒な液の放出をもたらす。
今回研究者たちは、この生物がどのようにして危険なバックパックを安全に持ち運び、必要なときに作動させるのかを解明した。
研究者たちは、BP76がシロアリの背中にしっかりと固定されていながら、それが壊れたときに素早く反応できるようになっていることに困惑していた。しかし、学術誌『Structure』に8月15日付で掲載された研究によると、この酵素がしっかりと折り畳まれており、時間が経過しても分解されにくいということが明らかになった。
チェコ科学アカデミー有機化学・生化学研究所の主執筆者であるヤナ・シュケルロヴァーは、酵素の立体構造から、BP76がさまざまな方法で安定を保っていることがわかったと述べた。
シロアリが、時間をかけてこの酵素を確実に保持し増やす方法は、コロニーを守るために不可欠である。
これまでの研究では、年をとったシロアリは時間の経過とともに大顎がすり減ってしまうため、餌探しや巣の手入れがうまくできない可能性が示唆されていた。そして、彼らの労働時間が限られていることを知っているので、彼らは自分たちのコロニーを守るために最後の致命的な行為に身を捧げるかもしれない。
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【文 にぅま】
画像 ウィキペディアより引用