イングランドのコーンウォールやデボンなどで伝承にされている妖精が『ピクシー』。
日本語には『小鬼』と翻訳されることがある。正体は洗礼を受けずに亡くなった子供の霊が妖精になったとも、ケルト神話にある神のような存在が『ピクシー』になったとも言われている。
光り輝く目玉、緑の服、赤髪、青白い顔、わしっ鼻、尖った耳、先が尖りやや折れたナイトキャップを被ったスタイルが一般的だが、まったく人間と同じような姿で描かれている場合もある。
通常 その性格は穏やかで、馬が大好きで、馬に乗ることを最高の喜びとしている。馬を操る時、馬のたてがみと自分の髪の毛を絡めるという。
また、森の中でダンスするのも好きであり、この踊りに出会った人間は、朝まで踊らされたり、下手すると数年の時間が経っていたりする。この災難を避けるには、上着を裏返しに着ることである。
牛の骨格を使ってシーソーをつくり遊ぶのも好きである。なお、コーンウォールのピクシーの女王はジョーンというらしい。
さて、緑色の服や緑色の体色という特徴は何故か妖精や妖怪に多いものであったりする。例えば、日本に平成以降出没している『ゴム人間』や、アメリカに出現した『トカゲ男』なども緑色の怪物だ。
また、海外では宇宙人のことを「リトル・グリーン・メン」と呼んだりもしていた。宇宙人の体色が緑色でない場合でもこのように呼んでいたそうなので、人間の深層心理の中には「人間ではない異質なもの」を緑色に感じてしまうような感覚があるのかもしれない。
(山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Robert Owen-WahlによるPixabayからの画像