妖怪・幽霊

精神を病んだ子供が一家惨殺、心霊スポット「ケンちゃんハウス」は複数ある?!

ケンちゃんハウスは、栃木県宇都宮市宝木本町(たからぎほんちょう)にかつて存在していた空き家の通称である。現在既に解体されており、跡地が残されているのみとなっている。

建設時期はわかっていない上、住人が不在となった時期すらも不明となっている。2002年ごろからはその廃屋が心霊スポットとして言及も始まっていたとされており、2013年ごろには藪に飲まれており、2019年1月には解体が確認されており跡地となっている。

ケンちゃんハウスという名前からも察することが可能であるが、「ケンちゃん」という子供に対するような呼び名が冠されるこの心霊スポットの言われというものが存在する。

曰く、かつてこの家に住んでいたケンちゃんという男の子が、精神に何らかの疾患を抱えてしまうこととなり、それによってケンちゃんが家族全員を惨殺するという痛ましい事件があったのだという。

しかし、事件の発生に時間がかかったことによって、一人残されたケンちゃんはついに餓死してしまい、以来廃屋にケンちゃんの霊が彷徨っているのだとか。ケンちゃんのその後については行方不明になったというケースもある。

いわく付きのスポットにおける「皆殺し」がなんと多いことかと感嘆せざるを得ないが、人が既にいないという事象が安易に「一斉に人が消えた」というイメージに結び付けたがるのかもしれない。

そもそも、いつ起こったのか、何人家族だったのか、なぜ精神的に不安定だったのかといった点にほぼ情報が見られず、先の「ケンちゃんという子供が精神を病み家族全員を殺害した」というフレーズのみが独り歩きしているものと見られる。なお、事件性については、「タクシー運転手の孤独死が実際にあった」というおぼろげな情報があるようだ。

また、元も子もない話をすると、冒頭で所在地を記したものの「ケンちゃんハウス」と呼ばれていた個所はいくつもあったという。大谷観音の近くにある山中の家や、新里ろまんちっく村近辺にあった廃屋、その他宇都宮市ではなく鹿沼市の楡木駅近くにあったなど、片手に収まらないほど「ケンちゃんハウス」と呼ばれた廃屋の存在が散見される。

どうやら伝播の中で「この地域近辺にある廃屋」という情報のみに基づいた勘違いや憶測の形跡が見られる。

大谷観音近くの家については、殺人事件の被害者の霊が現れるとの噂があり、また新里とまんちっく村近辺の廃屋は、済んだ者に不幸が訪れるという噂も存在していたという。なお、宜保愛子のビデオ『霊視の世界第一巻』に「栃木県の幽霊屋敷(一家離散の秘密とは)」と題する章があり、かつてケンちゃんハウスに宜保愛子が訪れていたのではないかと考えられている。
因みに、ケンちゃんハウスは年代によって呼び方も変わっていると言われている。つまり、ケンちゃんという名前すら元々はついていなかった可能性すらあるのだ。ここまで、あらゆる情報が曖昧なままとなっている心霊スポットというのも珍しいのではないだろうか。

【参考記事・文献】
ケンちゃんハウスへ!栃木の有名・廃墟系心霊スポットを探せ!!!
https://tabi-and-everyday.com/archives/25550
ケンちゃんハウス
https://shin-kichi.com/kenchanhouse/
ケンちゃんハウス
https://haikyo.info/s/12393.html
ケンちゃんハウス【跡地】
https://haunted-place.info/4830.html

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「お墓の不思議」

【文 ZENMAI】

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