妖怪・幽霊

大阪府貝塚市の廃校「大阪市立貝塚養護学校」は居場所を失った霊たちの溜まり場

大阪市立貝塚養護学校は、貝塚市橋本に存在する廃養護学校であり、貝塚市内でも最恐と謳われる心霊スポットの一つとして知られている(所在が貝塚市であるのに大阪市立となっているのは、元々が大阪市立の小・中学校の分校として設けられたためである)。

貝塚養護学校の経緯を語る上で欠かせないのは、かつて同市に存在していた貝塚結核病院である。1948年に開設された貝塚結核病院は、その名の通り結核患者を収容・治療する病院として建てられたが、患者の中には当然ながら子供もいた。

小児結核の場合は、幼少期の早期発見による治療を行なえば完治する可能性が高かったため、少年保養所が作られ、また病院に通いつつ学校教育も受けられるように学校が併設されることとなった。1948年に付設貝塚学園が設置されたが、この学校こそのちの1958年に改称された大阪市立貝塚養護学校である。

1992年、貝塚結核病院はその役目を終えて閉鎖されることとなったが、養護学校は病弱児を対象として引き続き運営が続けられていた。2009年3月、とうとう貝塚養護学校は当月限りでの閉校が決定したが、2018年に結核病院が解体されたものの養護学校は現在も廃校としてその地に残り続けている。

廃養護学校は、子供の幽霊が出るという心霊スポットとして語られてはいるものの、特に際立った目撃や体験は語られていないようだ。にもかかわらず、大阪、ひいては貝塚市を代表する心霊スポットの一角を担うほど注目を集めるようになったのは、おそらく結核病院の解体がきっかけになったのではないかと思われる。

そもそも貝塚結核病院は、かつて貝塚市最恐の心霊スポットの一つとして知名度が非常に高かった。しかしながら、解体されてしまったことによりほぼ一切の心霊体験が聞かれることは無くなったという。

噂によれば、かつて廃病院を彷徨っていた霊たちが解体によって居場所を失ったことで廃校となった養護学校へ居場所を移し、それ以来廃養護学校では心霊現象や幽霊の目撃が増えるようになっていったとも言われている。心霊スポットとしての貝塚養護学校は、貝塚結核病院の存在抜きには語れないといって良いだろう。

貝塚養護学校にて今後、何かしらの体験が聞かれることはあるのだろうか。とはいえ、閉校して十数年しか経過していない場所であるため、当時を知る人はまだまだ多いはずである。

かつて自分たちが通っていた、あるいは勤めていた場所が、すっかり心霊スポットと呼ばれることに複雑な心境を抱いていないかが心配だ。

【参考記事・文献】
廃養護学校
https://shin-kichi.com/haiyougogakkou/
大阪市立貝塚養護学校(廃養護学校)
https://haunted-place.info/6858.html
貝塚結核病院は大阪にあった恐怖の心霊スポット!?噂や現在の様子をまとめました
https://taptrip.jp/15483/
大阪の心霊スポットで行ってはいけない場所ベスト5!
https://poltergeist.jp/osaka-ruins/#index_id3

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【文 ZENMAI】

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