※以下は2018年12年の記事の再掲載です
ATLASでもたびたび紹介している人の生き血を吸う怪物(モンスター)「吸血鬼」。そんな吸血鬼が1981年にイタリアの牢屋に現れたという事件があった。
1981年8月20日の朝日新聞に「獄中で殺し生き血を吸う」なる衝撃の見出しが掲載されている。
記事によると、事件が発生したのはイタリアはサルジニア島の刑務所で、ヴィンチェツオ・アンドラウスという地元の暴力団事務所のボスが同じ獄中にいた囚人を殺害し、その生き血を吸ってしまったという。
同じ獄中にはアンドラウスと敵対関係にあった人物が先に入獄しており、獄中での果し合いの末「殺し合い」に発展してしまったという。
記事によるとアンドラウスの殺害方法というのが凄惨そのもので、相手を殴り殺したうえ、獄中の仲間と一緒に腹を引き裂き、内蔵を引っ張り出したうえに、歯で噛み切っては血をチュウチュウと吸いだした。
獄中には他の囚人もおり、この蛮行にはもちろんドン引き……かと思いきや、この殺された相手というのが日本でいうところの「牢名主」のような人物で、獄中でも粗暴な振る舞いが多く恨みを持つものも多かったため、アンドラウスにより殺されたことに喜び死体の周りをグルグルと囲み「死の舞踏」を踊り、しかも一緒になって生き血を吸っていたという。
本件は牢屋という密閉された場所ゆえ、善悪の判断がつかない集団催眠のような状態になっていた可能性が高く、一種の宗教儀式のような殺害事件になってしまったようだ。
イタリアの牢屋に現れた「吸血鬼」。その正体は牢屋という場所が見せた「幻影」だったかもしれない。
(文:穂積昭雪 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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