スピリチュアル

「父がご執心だった新興宗教の空しさ」

さて今回は、いつもとは違ったお話をしたいと思います。自分でもほとんど忘れていて、大人になって思い出す事はあっても深い部分までは思い出さずにいました。

私が通っていた幼稚園がお寺さんが運営していて、よく仏様の話を聞かされたりしました。今思うと、車で15分くらいかかる所でもっと近くにも幼稚園はあったのに、何故あそこを選んだのか不思議でした。

昔、母に何故あの幼稚園を選んだのか聞いたのですが、母も理由が分からないんだそうです。てっきりお寺経由だからかと思ったんですが、入園してから知ったんだとか・・・

園長先生から、仏様から守られているとか命の大切さなどを教えられた記憶が微かにあります。そして、仏様に手を合わせたりしました。

私が入園したくらいに父方の兄弟の勧めで、父が宗教に入っていました。私は宗教だとは知らず、父からは神様だと言われ神棚を祀っていました。幼稚園でよく手を合わせていたのと、父に言われていて神棚にも手を合わせていました。

昔の事だったからすっかり忘れていたのですが、深く思い出したのです。

仏様は私達を守って下さっているなら、何故父が乱暴をはたらくのか?仏様によく、父と仲良く過ごせるようお願いをしていました。そして家にいる神様(教祖様になるんでしょうが)にも、お願いをしました。

ですが一向に良くなる訳でもなく、何故、私の声が届かないのか?神様、仏様なんて居るんだろうか?或いは、私が悪い子だったのか?

ずっと疑問だったのです。

それとこの宗教については、毎年大晦日には行くと、車の中で寝ていて、元日に帰るという事を幼稚園児のときから体験しました。この宗教は、関東で有名です。

幸いにも家族の中では父以外は入信していなかったのですが、父にみな付き合わされていました。大晦日に行った時などは建物の中に入り、教祖様についてのアニメを見せらたのですが、登場人物が全て着物姿で教祖様は山にこもり修行をし、悟りをひらいて超能力者のようになって奇跡を次々と起こしました。

子供だった私は、こんな凄い人がいるんだと驚いたのです(笑)ですが、周りの人々は辛そうにしていたり、お金の話をしていました(後に気付きましたが、お布施などの話だったと思います)。

アニメの中では病を治したり、地面に何かをしたら水が吹き出し、村人は大喜び。人に良い事をしていて、生き神様だと聞かされました。

幼い私は、きっとこれだけ凄い人なら、父を治してくれると信じてたのです。

そして私が小学一年で、大晦日に行った時の事。父に夜中に起こされて、いきなり一緒に行くぞ。と言われ、訳が分からず付いていきました。行った先には沢山の人々が通路を挟むように並んでいて、何かを待っています。徐々にざわめきが聞こえてきて、父から「教祖様がやって来るから、頭を下げて見てはいけない」と言われました。

夜中だったせいかあたりは真っ暗で、大明行列のように大勢の人達がぞろぞろと通路を歩いていました。私は言われたまま、やっていましたが、不思議な光景でした。

その次の年、いつものように大晦日にアニメを見せられても、様々な疑問が浮かんでいました。ずっと手を合わせてお願いしてるのに、いつになったら父と仲良く暮らせるんだろうか?

そしてまた、いきなり夜中に起こされて父に着いていきました。またしても、教祖様の為に並んだのです。父としては生の教祖様に出会う事により、得分が積めると考えていたようです。私を並ばせたのは、自分(父)の得分の為でした。

私はずっと抱いていた疑問を、教祖様にぶつけてみようと考えたのです。本当に凄い能力があるなら、私の心の声が聞こえるはず( 実際にアニメのシーンで、人の心を読んでいました )・・・教祖様が私達の近くに来た時に、頭を下げずにジーッと見つめ心の中で「私の声が聞こえますか?父と仲良く暮らせるよう、父に頼んで下さい。」と頼みましたが、聞こえる訳もなく素通りでした。

この時に私はハッキリ確信し、逆に「神様や仏様なんていない。神様だなんて嘘なんだ。私が子供だからバカにしてるんだろうか?お金がないからだろうか?」と強く恨みました。

一時期色々ありすぎて、強く想っていた事は確かです。霊能者でもあるおばあちゃんも、何故、父を救えないのかと疑問を抱いた事もあります。

そういった背景もあり、私自身、目に見えない存在などを嫌い、以前お話しした叔母の一件から尚更、自分の力に対して拒否反応が凄かったのです。

本当に困っている人には、助けてもらいたい気持ちが強いです。スピリチャル詐欺など、もっての他だと思います。

それと、自分のうろ覚えの部分があったので、さっき母に詳しい事を聞きました。そして私が思っていた話をしましたが、私が当時そんな風に考えているとは想像もしていなかった、と驚かれました。自分自身、別に誰かに話そうとか考えてもみなかったので当たり前ではあったでしょう。

そして不思議な事に、あんなに盲信していた父がだいたい私が教祖様に念を送った(?)年に、「あんな所はたいした事がない」などと文句を言って抜けたんだとか・・・

母からしたら、何が起きたんだろう?と不思議だったそうですが、私の話を聞いて納得したようです。偶然かもしれませんが、私が何かやったとは思っていません(笑)。

何か目に見えないものに、父が動かされたのでしょうね。

自分のそういった経験をしているので、神様など信じない。とか目に見えない世界を信じない。といった人達の気持ちを、少なからずとも分かります。そして苦しさのあまり、そういった所に頼ってしまう気持ちも。だからといって、多額の金銭を要求をしていいとは思いません。

今回は自分でも忘れていて昔ほどではないですが、自分の能力に抵抗を感じる理由が分かりました。いつもとは違ったお話になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 りのさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Pete LinforthによるPixabayからの画像