京都府右京区、嵯峨野嵐山から車で5分ほど進んだ場所に存在する「清滝トンネル」(清滝隧道)。化野(あだしの)念仏寺などが近隣に存在するこのトンネルは、片道一車線の全長約500メートルに及ぶ手掘りのトンネルとなっている。
1929年に愛宕山参拝のために設けられた愛宕山鉄道のためのトンネルであったが、1944年に廃線となった以後は府道137号線の車道用トンネルに転用されることとなった。戦時下では、三菱重工業の分工場にもなっていたという。
紅葉の名所ともなる方々の山に囲まれたこの清滝トンネルは、その景観とは裏腹に京都でも最恐クラスと呼ばれるほどに知られた心霊スポットとなっている。薄暗いオレンジ色の証明に照らされたトンネルでは、トンネル内やその付近は、昔から噂やエピソードに事欠かないという。
清滝トンネルは、いわくのあるポイントがいくつか存在している。まず、そこに入る前に「すでに試練が始まっている」とまで言われている。トンネル前に信号機が設置されているのだが、ここに到着した際にその信号が青であった場合は「招かれている」と言われ非常に危険であると言われている。
もう一つは、トンネルを抜けた先にある「真下を向いたカーブミラー」だ。このカーブミラーは、先を見通すための通常のミラーとは異なり鏡面がほぼ真下を向いている。噂によれば、この鏡面を覗いた時に自身の姿が映っていないと近いうちに命を落とす、あるいは老婆などが映っていると事故に遭うとも言われているのだ。
因みに、下向きミラーは峠などで坂を上ってくる車を確認するためのものとして設置されるため、それ自体決して珍しいものではない。だが、清滝トンネルのミラーについては、そもそも車道が一方通行で対向車が来るはずがないにも関わらず設置がされているという点で、なぜ設置されているかについてはわかっていないという。また、このことにより「意味なしミラー」という呼称もあるらしい。
この他、ボンネットに人らしきものが落ちてくる、窓ガラスに手形がつく、中でクラクションを鳴らしてはいけない、といった心霊トンネルでは定番ともいえる噂の数々はもちろんのこと、行きと帰りでトンネルの長さが違っているなどの話もあるという。
なぜ、清滝トンネルが心霊スポットとされるようになったかについては定かではないが、多くの霊が目撃されているということについては、かつてトンネルの掘削時に多くの作業員が亡くなったことに起因するのではないかという話もある。今一つは、平安時代以降にこの地域が風葬の地として知られていたこと、また京都を囲む五つの山に火を灯して先祖の霊を送る「五山の送り火」の一つである嵯峨野に清滝トンネルがあるということから、霊的存在が多く集中しやすい場所となっているのではいかというものがある。
清滝一帯は、かつてスキー場やホテルが栄えており、鉄道時代の清滝トンネルも観光の主力として大いに活躍していた。だが前述した通り、大戦を前後して状況は一変してしまい結局鉄道は廃線、そして現在に至っている。かつて賑わいが大きかった場所ほど因縁めいた噂は強くなるように思える。そうした、もの悲しさや無念さが、このような心霊スポットを生み出しているのだろうか。
【参考記事・文献】
清滝隧道(愛宕山鉄道廃線跡)
https://tabi-mag.jp/ky0588/
清滝トンネルは京都の心霊スポット!カーブミラーの噂や行き方を紹介
https://tabigo-media.net/kiyotakitunnel/
清滝トンネルは京都最恐の心霊スポット!地元に伝わる心霊現象ややってはいけないこと!
https://shiori-tabi.jp/posts/16221#head-d798babef9e511e03df999e0046c8d28
清滝トンネルは本当に危険な心霊スポット!恐怖の体験談続出!?
https://leisurego.jp/archives/184107#i
【心霊スポット検証】京都で最恐最悪の魔界といわれる「清滝トンネル」が若者のテーマパークと化していて泣いた
https://rocketnews24.com/2019/08/24/1251194/
【京都心霊スポット】全国的にも知られる最恐スポット!西の霊山・愛宕山への通り道☆「清滝トンネル」
https://kyotopi.jp/articles/Rw4ow
【文 ナオキ・コムロ】
画像 ウィキペディアより引用