UFO

「ニミッツの遭遇」戦闘機が遭遇したUFOを海軍が本物と公認した

USSニミッツUFO事件、通称「ニミッツの遭遇」とは、2004年に米海軍のパイロットたちが、カリフォルニア州サンディエゴ沖でUFOに遭遇したという事件である。

後年の2017年に、その時のUFOを撮影したムービーが公開されたことで大きな注目を浴び、米海軍がこの事件を「トップシークレット」に分類したという報告書が存在すると公式に認めたことでも話題となった。

ことの発端は2004年11月上旬、巡洋艦「プリンストン」のレーダーが不審な飛行物体を捉えたことによる。その飛行物体の高度は約8,530メートル、速度は時速222キロほどであり、鳥にしては高度が高く飛行機にしては速度が遅いという奇妙なものであった。飛行物体は決まった進路をとっておらず、正体をつかむには至らなかった。

同年11月14日、再び飛行物体が観測されたことで航空母艦「ニミッツ」から戦闘機が出撃、戦闘演習という形式で飛行物体の確認に向かうこととなった。上官の指示によって向かった現場には何も見当たらなかったが、なんと上空で飛行する戦闘機の遥か下の海上に異様な物体があるのが発見された。その物体はホバリングをしており、戦闘機が降下すると距離を保ったまま上昇し、加速して2秒ほどで姿を消してしまったという。

第1陣が帰還してから、今度は左翼に高性能赤外線カメラを搭載した戦闘機による第2陣が出撃することとなった。そして、この時のパイロットの一人チャド・アンダーウッドによって、その飛行物体いわばUFOが見事に撮影されたのだ。センサーによって捉えられたUFOは楕円形をしており、しばらく撮影がなされた末に左方向へ急加速し、ついに視界から消え去ってしまった。




アンダーウッドによると、この映像は肉眼で見えない約16キロ以上離れた位置からの撮影であったという。UFOは不規則な動きをしており、とても物理法則に従っているとは思えなかったという。また、UFOが左方向に消えて行ったことについて機体が傾いただけではとの指摘にも、正面から接近していたと反論をしている。

さらには、通常であれば赤外線カメラによって感知されるはずの熱がそのUFOから確認ができず、排気熱などの兆候が見られなかったというのだ。帰還したアンダーウッドは、一連の出来事についての口外を禁じられ、同僚から話題に上がっても触れず、撮影した物体の観測もすることはなかったという。

なお、その形状がミント菓子に似ていたことから「チクタク」(チックタック)UFOなどと呼ばれるようにもなったという。

冒頭でも述べたように、この映像はトップシークレットとして非公開なままとなっていた。だが、2017年12月にニューヨーク・タイムズによって映像が公開され、さらに2019年には米海軍によって「未確認の空中現象」と説明されたことで、フェイク映像ではないということが明確に認められた。

「未確認の空中現象」というそれまでに無かった用語が登場したことも一方で話題となり、UFOに対する新たな定義・概念がもたらされたきっかけになったとも言われている。同時に、UFOの形状について「チクタク」(チックタック)という語も使用されるようにもなったようである。ニミッツの遭遇は、UFO史において近年特に反響を与えることとなった事例であることは間違いない。

【参考記事・文献】
米西海岸沖に現れたUFO「チクタク」 目撃者の証言
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO73901420V10C21A7000000/
ついに動き出した政府と残る謎:ペンタゴンはUFOの存在にいかにして向き合ったか (4)
https://wired.jp/membership/2021/07/30/how-the-pentagon-started-taking-ufos-seriously-4/
「物理的にあり得ない動きをするUFOの映像」を戦闘機で飛行中に撮影した元海軍パイロットが当時の経験を語る
https://gigazine.net/news/20191223-navy-pilot-filmed-ufo-experience/
元海軍パイロットのUFO目撃事件について「トップシークレット」の報告書が存在するとアメリカ海軍が認める
https://gigazine.net/news/20200116-ufo-incident-navy-secret-classified/
UFO動画は「本物」だとアメリカ海軍が認める、ただし海軍に公開の意図はなかった
https://gigazine.net/news/20190919-navy-ufo-video/

【アトラスラジオ関連動画】

【文 黒蠍けいすけ】