2016年5月、衝撃的な映像が撮影されて話題になった。
場所は人々が行き交う渋谷の交差点。撮影者らしき人物が空を指さしている様子が画面に映り込んでいる。
その先にはビルの上を飛ぶ、巨大な円盤の姿があった。投稿者によれば時刻は午後10時頃だったという。
円盤は全体が黒く、周囲と底部にライトが点いており、ライトは明滅を繰り返している。UFOは一瞬消えたかと思うとビルの奥にワープしたかのように姿を現し、再び元の場所に姿を現して消える。
UFO動画の中ではかなり長く、しかも多くの人が行き交う場所に出現したUFOという事で、公開されるやいなやあちこちから注目を集めた。しかし、同時にこの動画の真偽については公開当初から疑問の声が挙がっていた。
夜10時とはいえ、渋谷はまだまだ人が多い。動画キャプションにも「目撃者多数」と書かれており、動画には空に向かってカメラを構えているような人の姿も見える。しかし、これほど大勢の人がいたにも関わらず、誰一人として「自分もUFOを見た!」という人が出てきていない。
これだけの人が同時に見ていたのなら、すぐ大勢の人がTwitterを初めとするSNSやネットに投稿し始め、注目ワードやTwitterのトレンドになり騒動が起きるだろう。しかし、同じ日に「UFOを見た」とするツイートなどが確認されたことはない。
また、動画の中にネットでよく画像コラージュ等でネタに使われている人物の写真が一瞬だけ写り込む。動画を何度も繰り返し見ていれば、知っている人は気付いてしまうものなので、この「ネタ」に気付いた人達から「このUFO動画は巧妙に作られたフェイク動画ではないのか…?」とする意見が出てきたようだ。
実際にこの動画が撮影者によるフェイク動画である事が判明した。
撮影者は、自分の動画編集技術の腕前を確かめるために作製してみたという。
事実、現在テレビ番組などで紹介されるUFO動画は派手なぶん、明らかにCG等を利用して合成されていることが分かるものが殆どだ。実際のUFO動画とされるものは本アトラスにて幾つも紹介させて頂いているが、大概が「妙な動きをする光の点」など、地味なものが多い。だが、そういった本物は動きもあり、UFOも派手で、解りやすいフェイク動画に押しのけられて埋没してしまう。
「宇宙人が乗っている」ものはさすがに存在しないだろうが、空に正体不明の物体が出現する現象自体は日々世界のどこかで起きている事である。本物かどうか楽しみながらも、それが自然現象か未知の物体か、はたまたフェイクか検証してみることも必要なのである。
※写真はYOUTUBEからのキャプチャ
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
関連動画
2016/5/11 渋谷にUFO出現!!!! UFO ufo appearance in Japan tokyo shibuya
参考記事
レコシン:2016年渋谷UFO事件の真相発覚!動画を撮影した人にインタビューしました
2016年05月13日
http://www.rcd.co.jp/article/6560/