※以下は2019年5月の記事の再掲載になります。
これは1979年(昭和54年)2月23日の朝日新聞に掲載された海外ニュースである。
アメリカ・オハイオ州のある街で10代の兄妹が60米ドル(当時の日本円にして14300円)で19歳の「殺し屋」ジェローム・ワトキンスを雇い、しつけの厳しい父親を殺害した、という衝撃ニュースが掲載されている。
記事によると、殺されたのは50代の男性、ジョン・T・ホワイトさん。
ホワイトさんは2月9日、自宅へ帰ってきたところを殺し屋に撃たれ死亡した。
すると、家の中からホワイトさんの子供である17歳の兄と14歳の妹が出てきて死亡確認を行い、父親のポケットからクレジットカード、現金などを奪って逃走した。
ホワイトさんは数年前に離婚し子供ふたりと3人暮らし。離婚後、ホワイトさんが子供2人をひとりで育てることになった。
父親の教育は「夕方以降の外出は禁止」「学校にも通わせない」などかなり過保護で、次第に子供は父親に反発。最終的に兄と妹が互いに相談し「我々の自由のため父親を殺そう」となったという。
ふたりは父親の死を確認したあと、奪ったクレジットカードを使って豪遊。自転車やカラーテレビなどを購入していたという。
ふたりは9日後、2月11日に逮捕(父親の遺体は自宅に放置していた)され、取り調べに対し「父親は私たちのやりたいことを何一つさせてくれなかった。マリファナ一本すら吸わせてくれなかった」と供述したという。
父親が死んだ9日間はそれまでの生活を考えたら、まさに自由そのものだったはずである。しかしその後の彼らの人生、果たしてそれで良かったのだろうか……?
(穂積昭雪 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
Jan Marcus TrappによるPixabayからの画像