多くの人々に惜しまれながら昨年念滅に亡くなった、その圧倒的な歌唱力により代表曲『雨の慕情』などで知られた八代亜紀。フランスの由緒あるル・サロン展に連続入賞を果たした経験があるほど絵画についてもそのスキルを発揮し、演歌歌手として、画家として高い才能を示した人物であった。
そんな彼女が体験していた怖い話というものがある。
彼女が16歳の頃、熊本から上京した彼女は当時新婚のいとこのアパートで同居しながら音楽学校へ通っていたが、徐々に銀座のクラブに専属歌手として勤められるようになっていき、新宿のマンションへ引っ越すことになった。しかし、その部屋に入ってから、2階でありながら寝室の窓の外に何も足場が無いにもかかわらず窓の外に人の顔が現れるといった、奇妙な現象が起こった。
またある日には、夜中に目が覚めふと居間のほうを見ると黒い影が横切り、居間へ足を運んだところ突然玄関のドアがガチャガチャと動き出し、恐る恐るのぞき穴から外を見ると、全裸の男が走り去って行く姿が見えたという。
そして、八代亜紀のこうした怖い体験で最も知られているのは、次のようなものだ。
九州の公演へ赴いていたある時、彼女がそこで泊まった場所はきわめて古い老舗の旅館であった。到着時すでに夜中の0時を越えており、遅い夕食を終えて付き人の女性と共にすぐに寝入ることとなった。電気を消して寝始めたその時、枕元の頭の上から何やら女性数人が喋っているような妙な声が聞こえてきた。
不審に思いながらも気にせず寝ようとすると、そのうち「ガリガリガリ ガリガリガリ」という爪で引っ掻くような音、さらに「ベリベリベリ ベリベリベリ」と天井をこじ開けようとするような音まで聞こえてきた。流石に恐怖を覚えた彼女が、ふと付き人の方を向いてみると、なんと同じように天井を見ていたのだ。
そして「グワン ガガガガガ」と天井板が剥がれ落ちるようなひときわ大きな音が響き、付き人は彼女を置いて逃げ出し、八代も後に続いて部屋を出ていき、その夜は眠れなかったという。翌日、旅館の人に尋ねてみると、彼女たちが宿泊をした部屋の上階が「開かずの間」であったことが明かされたのだという。
この旅館の話は八代亜紀の体験した怪談として有名である。一部では、「彼女の泊まった部屋に、昔巡礼中の母娘が泊まっており、侵入してきた人さらいに母親は殺され、娘は連れて行かれた。以来その部屋に人が泊まると、娘が帰ってきたのではないかと母親が天井から覗いてくる」、「顔中血まみれの女性が天井から覗いていた」といった話が付加されているケースも見られるが、これらの部分は本人自身の証言であるかは定かではない。
同様に真偽は不明であるが、バスガイド時代の彼女を映したモノクロ写真が、心霊写真ではないかと話題に上がったこともある。なんらかの心霊現象を引き寄せる何かが、彼女にはあったのだろうか。
【参考記事・文献】
八代亜紀さんの霊体験
https://ameblo.jp/simizuyumi2/entry-11145246859.html
八代亜紀さんの体験した怖い話 ひそひそ話
http://www.961775.seesaa.net/article/402446146.html
芸能人の体験した怖い話まとめ【閲覧注意!】
https://renote.net/articles/36219
バスガイド時代の八代亜紀さん!フロントガラスに写り込んだ霊たちの謎… 心霊写真12選
https://x.gd/ROvbG
【アトラスラジオ関連動画】
【文 黒蠍けいすけ】
画像『ツイン・パック』