跡形もなく消えた男性が、Google Earthによって偶然にも発見された。ウィリアム・モルトは、1997年11月7日にフロリダ州ランタナで夜遊び後に帰宅しなかったため、行方不明になっていると報告された。
その日の夜9時半頃、彼はガールフレンドに電話をしてすぐに帰宅すると伝えたのだが、それが彼らの最後の会話となってしまった。その後、彼は二度と戻ってこなかったのである。
警察は迅速に行方不明となった彼の捜査を開始したが、事件は最終的に冷遇されていき、20年以上に渡ってモルトと親しい人たちは答えを得られることのないまま放置された。
ところが、失踪から22年後の2019年8月、フロリダ州ウェリントンのグランドアイルズ地区に住んでいたある人物が、Google Earthで昔住んでいた自分の家をチェックしていたとき、大きな湖の中に奇妙なものがあることに気づいた。
車のようにみえたその物体を奇妙に思った人物は、湖に面した家に住んでいる人へ連絡をし、調査を依頼した。家の所有者であるバリー・フェイは、上空にドローンを飛ばし、実際に白い車が水面下に隠れていることを確認することができた。
フェイはパームビーチ郡保安官事務所に電話し、事務所は保安官代理を現場に派遣した。沈んでいた白いセダンを引き揚げてみると、それは「かなりの時間、水中にあった」ということがわかった。そして扉を開けた後、なんと彼らは行方不明となっていたモルトの白骨化した遺体を発見したのだ。
フェイはパーム・ビーチ・ポストに、「単に廃車が沈んでると思っていたので、まさか死体があるとは思ってもみませんでした」と語った。
アメリカの未解決事件のオンラインデータベース、チャーリー・プロジェクトの報告によると、おそらくこの事件で最も恐ろしく、そして最もつらいのは、その車が2007年からGoogle Earthに見えていたという事実だという。何より、誰かがそれを発見するまでには、そこからさらに12年もかかったのである。
保安官事務所がBBCに語ったところによると、モルトはおそらく車のコントロールを失って湖に突っ込んだのだろうという。ただし、目撃者によるとナイトクラブを出た時の彼は酔っていなかったという。
警察は、彼の失踪当初には車を発見することができず、最近になって湖の水が変化したおかげで発見できたのだと主張した。
「そんなに何年も前に何が起きたのかを判断することはできません」「私たちが知り得るのは、彼が行方不明になり、現在になって発見されたということだけです」と警察広報のテリ・バルベラは述べた。
【文 にぅま】
画像&動画 VICE / YouTube