サブカル

レオナルド・ダ・ヴィンチ作、名画「モナ・リザ」モデルに関する諸説

レオナルド・ダ・ヴィンチが残した絵画の中で、最も有名なものと言えば『モナ・リザ』だ。数多くの作品の題材やパロディななされた美術作品としても名高く、またダ・ヴィンチの美術技巧を研究する上でも特に重要視されている作品となっている。

『モナ・リザ』は、1503年から1506年にかけて制作されたと言われている。そして、そのモデルが果たして誰であるかということについては古くから議論の的となっていた。

現在、最も有力とされているのは、イタリアの貴族夫人「リザ・マリア・デ・ゲラルディーニ」という人物である。これは、彼女の夫フランチェスコ・デル・ジョコンドによる依頼であったと言われており、2008年1月には、ドイツのハイデンベルク大学附属図書館によって「ダ・ヴィンチがリザ・デル・ジョコンドの肖像を制作中 1503年10月」と書き込まれた所蔵古書が発見されている。

加えて、『モナ・リザ』に描かれた女性は妊娠している女性の特徴を多く持っていると言われている。これが描かれた時期とリザが妊娠していたと想定されている時期も一致しているため、彼女がモデルであるという信憑性はきわめて高いものとして認知されるようになった。




だが、晩年まで手を加え続けてきた『モナ・リザ』が結局依頼主のもとに届くことはなかったという。そもそも、『モナ・リザ』というタイトルはダ・ヴィンチの死後30年経って画家ジョルジュ・ヴァザーリが付けたものであると言われている。こうしたことから、『モナ・リザ』は依頼によって描かれていたリザの肖像画とは別の絵ではないかという説も存在している。

これまで、フィレンツェ大公ジュリアーノ・メディチの愛人、スネサンス期のイタリアの女性領主カテリーナ・スフォルツァ、マントヴァの侯爵夫人イザベラ・デステ、マグダラのマリア等々、『モナ・リザ』のモデルとして様々な人物が噂されている。

さらに、ダ・ヴィンチの母親、異母妹のビアンカといった、ダ・ヴィンチ自身と近しい人物がモデルではないかという説もある。2011年にはイタリア文化財の研究家たちによって『モナ・リザ』のモデルは男性であるという主張が発表された。その人物は、ダ・ヴィンチと同性愛関係にあったとも言われている弟子サライであるとされ、実際に、ダ・ヴィンチが死後『モナ・リザ』を渡した相手はサライだったと言われている。

より驚くべきは、『モナ・リザ』のモデルはダ・ヴィンチ自身ではないかと主張する説だ。ベル研究所のリリアン・シュワルツによれば、有名な赤チョークで描かれた男性の肖像いわゆるダ・ヴィンチの自画像とされる絵と『モナ・リザ』それぞれの顔の特徴が、鼻から輪郭に至り奇麗に重なり合うという。もっとも、この男性の肖像もダ・ヴィンチ自身であるかについては議論があるため、確たる証拠と言い切ることは出来ない。

『モナ・リザ』を含め、ダ・ヴィンチの謎は後世の我々をいまもなお翻弄し続けている。

【参考記事・文献】
モナリザの謎と秘密まとめ!レオナルドダヴィンチの名画に関する不思議
https://world-note.com/mysteries-secrets-mona-lisa/#toc1
モナリザ「モデルは男性」と伊研究チーム、ダ・ヴィンチの愛人?
https://www.afpbb.com/articles/-/2784265
【徹底解説】モナリザに隠された永遠の謎を解明する
https://x.gd/uAOqn
なぜ有名なの?モナリザを超解説!誰?実は複数枚ある?どうして怖く見えるの?
https://omochi-art.com/wp/mona-lisa/#i-2
モナ・リザのモデルって誰?
https://rekisi.info/monariza.html
ジョルジョ・ヴァザーリにおいてのモナ・リザ
https://francois-vidit.com/docs/ja/paris/louvre/la-joconde/vasari

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

ha11okによるPixabayからの画像