かつて立川談志と中尾彬そして毒蝮三太夫が100人の芸人・有名人などを斬っていくという『立川談志毒演会』において、毒蝮三太夫が泉ピン子にまつわる以下のようなエピソードを語ったことがある。
「俺ね、ピン子そんな若い頃は知らないけれど、うちのかみさんがピン子がいる劇場に入ったんだってさ。彼女も座ったらしいんだよ。”なによこの席!もっといいとこないの?”って弟子に、付き人に言ってんだよ。その態度がもう、許せないつってたね。だから、庶民の女優でありながら庶民じゃないんだよ」
テレビドラマシリーズ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS)での出演でお馴染みであった女優の泉ピン子は、特に近年においてお騒がせが非常に目立つ人物となった。
先の『渡る世間は鬼ばかり』の脚本を担当し、泉ピン子とも親交の深かった橋田壽賀子が逝去した時に、生前の橋田の意思を尊重するとして「遺骨を海にまいた」と発言したことで、関係者から批判が起こったことは記憶に新しい。この件は、橋田家の関係者から、散骨を望んでいることを生前の本人から聞いた人がいないということ、そして遺骨の全ては四国の橋田家の菩提寺に納められているということ、といった反論が起こり、虚偽の美談として炎上とも言えるほどの騒乱へ発展した。
最も人々を驚かせたのは、『渡る世間は鬼ばかり』にて母子役を演じていた共演者えなりかずきとの確執であろう。ドラマで共演していた両者は、現在共演NGになってしまっているという。事の発端は、泉ピン子とえなりかずきの母親との間で起こった。
えなりのマネージャーでもあった母親は、彼にとって絶対的な先導役となる存在であった。一方で、泉は自身が子宝に恵まれなかったこともあってか、我が子のように接していたという。それこそ、溺愛と言うことではなく、本当の母親であるかのようなしつけ方としてだ。
だが、えなりが成人する頃になると、撮影中も遠慮なく叱る泉に対して彼はプライドを傷つけられる思いを抱くようになり、その様子を見ていた母親が泉に反発するようになったという。その後、次第にえなりの母親と泉との関係は悪化していき、とうとう泉がえなりに対して「母親から自立しろ」と迫ったことで、えなりの母が「母親気取りもいい加減にしろ」と激怒、結果としてえなり自身がこの状況に耐えられなくなり、ドラマ降板を願い出たという。
2010年に本編が終了して以降、単発の特番として放送されるようになった『渡る世間は鬼ばかり』であるが、この件によって橋田が両者の関係に気を遣った脚本を書いたため、作中で両者が顔を合わせる場面が無くなったという。
だが、両者の確執はそれ以前からすでにあったという指摘もある。泉は、えなりが子どもの頃から肩を揉ませたり、小言を細かく言ったりしていたという。さらに、泉はえなりの母に対しても、「ステージママなんだから身なりを良くしろ」と言って、自身の所有するブランド品を安く買わせており、その態度にえなりの母は煩わしさを感じていたという。
両者の確執は、かなり早い段階で形成されていたものであったのだろうか。以後、えなりのテレビ露出が激減しているのは、この確執に起因しているとも言われている。
因みに、この確執については、後年に発生した冒頭の「遺骨」問題の際にも再燃している。このことについてある番組内で問われた時も、共演NGとなったえなりに対して「あのガキが」と発言するなどして批判が起こった。彼女を取り巻く騒乱が鎮まる気配は無さそうである。
【参考記事・文献】
『渡鬼』えなりかずき・泉ピン子、30年の確執…共演NG報道、泉の横暴と“えなりの実母”
https://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_201910_post_121810/#goog_rewarded
泉ピン子、「橋田壽賀子さんの遺骨」騒動で墓穴 ウソをついていることが明らかに
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/06291056/?all=1
実際は「ピン子vsえなりの母」、関係者が明かす渡鬼騒動内幕
https://www.news-postseven.com/archives/20191010_1467458.html/2
(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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