2023年6月18日、オーシャンゲート・エクスペディションズのCEOであるストックトン・ラッシュを含む5人の乗客を乗せた海底探査艇タイタン号が消息を絶つという事件が起きた。
タイタン号は海底12500ft(約3800メートル)に沈むタイタニック号の残骸を目指すツアーの最中で、レスキューチームによる数日間に及ぶ捜索が行われるも、瓦礫が発見され乗員5人全員が死亡したという最悪の結果となった。
この事故はオーシャンゲート社によるさまざまな安全上の失敗を浮き彫りにし、潜水艇自体にも多くの技術的問題があったことを示すと同時に、複数の会社が行っているタイタニック号の沈没船探検ツアーについても疑問を投げかけるものとなっていた。
潜水艦タイタン号遭難事故でいまだに残る謎のひとつは、捜索海域の近くで「原因不明の打撃音」がソナー装置によって検出されていたことだ。この音は捜索中にカナダ軍の哨戒機のソナーが検出していたもので、一定間隔で鳴り続けていたことから当時、「タイタン潜水艇の乗客が救助隊の注意を引くために船体の内側を叩いた音ではないか」と推測されていた。
しかし、実際にはタイタン号は水圧のために瞬間的に圧潰したとみられている。それでは、事故現場付近で確認されたこの音はどこから発されたものだったのだろうか。
このカナダ軍が記録に成功した謎の「叩く音」の音源が、イギリスの新しいドキュメンタリー番組『Minute by Minute』の一部として公開された。
この番組はタイタン号沈没事故の原因に迫る内容になっており、各種専門家にも取材を行っている。現場で聞こえた謎の音については、元海軍潜水艦大尉のライアン・ラムゼイ氏が「これらのノックの対称性は非常に珍しい。リズミカルに繰り返されており、まるで誰かがその音を出しているようだ」と語っている。
しかし、タイタン潜水艦の乗員が音を出しているのではないとしたら、誰が、あるいは何が海中でこの音を立てていたのだろうか?
ドキュメンタリー番組は3月6日と7日にチャンネル5で放送される予定とのこと。公開されている告知動画でも聞くことができるので、気になる人は見てみてはいかがだろうか。
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用 CC BY-SA 4.0
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