サブカル

親日家歌手「アリアナ・グランデ」が日本から距離を置いてしまったその理由

画像『【Amazon.co.jp限定】エターナル・サンシャイン (デラックスB(10インチ紙ジャケット仕様))(限定盤)(特典:メガジャケ付)

2011年にシンガーソングライターとしてデビューして以来、Billboard 200チャートでも初登場1位などを記録したアメリカの歌手アリアナ・グランデは、かつては大変な親日家としても知られている。

2014年に初めて来日公演を行ない、それと同時に他の国(同じアジア圏の中国や韓国)と比較して極めて穏やかな日本の”環境の音”に魅了されたとして、SNS上においても日本語を勉強しているという旨を発言したりグッズに日本語を用いるなど熱心に日本語を取り入れた表現を展開していた。

しかし、ある出来事をきっかけにして日本への関与が控えめになってしまった。

ことの発端は2019年のこと。彼女のリリースしたシングル『7 rings』にあやかって、それを日本語(漢字)に訳した形の「七輪」という言葉を手にタトゥーとして入れた。

この画像をSNSにアップしたところ、「日本では”七輪”は七つのリングを意味しない」「コンロのことだ」というような誤用を指摘する声が相次いだ。その後、「焼肉も好き」という発言を投稿し、さらにタトゥーとして入れた七輪の字の下に「指(ハートマーク)」と新たに追加したのだが、このことでさらに「日本文化を理解していない」という非難が起こってしまった。

この一件によって、大の親日家とまで言われていた彼女はSNSに日本語の勉強をやめることや、それまではいずれ日本に住みたいとも考えていたという旨の発言を投稿するに至った。そして、このことが原因であるかは定かではないが、以後彼女が来日をすることは無くなってしまった。

彼女は、これまでお騒がせな人物としても知られていた。2015年には、アメリカのカリフォルニア州にあるドーナツ店に来店した際、店内で「アメリカ大嫌い」と発言したり、売り物のドーナツをふざけて舐める姿が防犯カメラで確認されるといった「ドーナツ事件(騒動)」を引き起こしていた。

のちに彼女は、この件について謝罪をしたものの、この影響によってホワイトハウスでのイベント出演が拒否されるほどに発展した。

また、彼女はかつて韓国から猛烈な非難を受けたこともあった。2017年に行なわれた韓国公演でのこと。彼女は飛行機の遅延によって韓国公演のリハーサルをキャンセルしたのである。この出来事は、リハーサル風景の観覧もできるはずだったVIPチケットの購入者からクレームの声が集まり、さらには入念にリハーサルを行なった日本公演のあとに韓国公演が予定されたという事情も重なり、その日本との対応の差から韓国国内でメディアを賑わせるほどの非難が集中し、一大炎上騒動となってしまった。




このようにして見ると、彼女が親日的態度から離れつつあるという話も、彼女が起因として巻き起こした騒動の一つであるようにも思える。

ただし、いわゆる七輪事件にまつわる彼女への”袋叩き”については疑問視する声も上がっている。七輪事件において、彼女の元には「文化の盗用」という用語が用いられた非難もあった。

文化の盗用とは、ある文化圏の文化やアイデンティティ要素を他の文化圏の人が私物化することを指す。文化の私物化とも呼ばれ、例えば信仰もしていない宗教の宗教的シンボルをタトゥーなどアクセサリーに使用したり、ある文化圏に対するステレオタイプを助長するようなコンテンツを制作したりするといったものがある。

ただし先の七輪が、果たして「文化の盗用」と言えるようなものであったのかははなはだ疑問である。これまでネット上では、海外の人達の日本語タトゥーについては一種のネタとして扱われ、ほほえましいものとして見てきたように思える。

「クールガイ」の意味で「冷奴(ひややっこ)」というタトゥーを入れたという話は、あまりにも有名である。七輪事件は、文化理解の難しさを説く論調も一部では見られたが、日本人の気質からすればあまりにも奇妙に思えてならない。

七輪事件で彼女を非難したのは、彼女をターゲットに反発するごく一部の人々いわゆるアンチの執拗な攻撃であったとも言われているが、ごく一部で囁かれている噂では、日本人のふりをした人々による攻撃だったのではないかというものまであるという。

七輪事件以降、非難を浴びた彼女を応援しようと呼びかける人々によって、ハッシュタグを使用した活動もSNS上で見られた。しかしながら、彼女の日本に対する感情が現在どうなっているかはわかっていない。彼女が再びかつてのような親日感情を取り戻すことを願いたい。

【参考記事・文献】
アリアナ・グランデ、「七輪」タトゥーの間違い認めるも超ポジティブ思考
https://front-row.jp/_ct/17247082
アリアナ・グランデ「日本語の勉強をやめる」 経緯に、日本人からさまざまな反応
https://grapee.jp/635999
アリアナ・グランデ、波紋呼んだ来韓公演…主催者が公式謝罪(全文)
https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2076494
アリアナ・グランデ、「ドーナツ騒動」でホワイトハウスのパフォーマンスを止められていた。
https://www.vogue.co.jp/celebrity/news/2016-07/26/ariana-grande
【3分解説】文化盗用とは?その意味を事例とともに解説!
https://sports-for-social.com/3minutes/cultural_appropriation/

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)