『忍たま乱太郎』は、漫画家尼子騒兵衛(あまこそうべえ)の忍者ギャグ漫画『落第忍者乱太郎』を原作としたNHKのアニメ作品である。戦国乱世を舞台に、一流の忍者となるべく忍術学園に入学した猪名寺乱太郎が、摂津のきり丸や福富しんベヱといった落第仲間とともに様々な事件・出来事に巻き込まれる姿を愉快に描いた作品だ。
自販機や腕時計あるいはカタカナ語と言った、ギャグテイストは盛り込まれているものの、設定する時代の様子や忍術の知識についてはきわめて正確な時代考証に基づいて描写されていることでも評価が高い。
また、2019年12月に原作の連載が終了したが、現在もなおNHKを代表する長寿アニメとして放送が継続されており、また子供向けアニメ作品としては異例とも言えるほどに女性人気が高い作品でもある。
放送30年を超える長寿番組となった『忍たま乱太郎』にも、ご多分に漏れず裏設定というものがいくつも存在する。例えば、乱太郎は将来一流にはなれず半忍半農になる、きり丸には戦争孤児であり家族を失っている、しんベヱの実家である貿易会社『福富屋』は死の商人である、といった各キャラに対するもの。
その他、学園の生徒が6年にもなると夜中に抜け出して女のところへ通う者もいる、学園生徒の中には多くの孤児がいる、といった設定そのものについてのものも見受けられる。当然ながら、登場キャラの設定にまつわる裏設定が圧倒的な数を占めている。
このような裏設定と呼ばれるものは、明確な公式設定というわけではなく熱心なファンたちの間で二次創作的に、原作から独り歩きして囁かれていることがほとんどである。だが、『忍たま乱太郎』のこれらの裏設定の多くについては少々事情が異なっている。なんと、それらの裏設定が生み出される背景に原作者が直接関与しているらしいということなのだ。
全てではないが、これら忍たま乱太郎にまつわる裏設定は通称「つどい設定」と呼ばれているという。「つどい」とは、原作者である尼子騒兵衛が主催する、ファンとの泊まり込み懇談会のことを言う。ごく限られたファン、それも女性限定であるため「くのいちのつどい」などとも呼ばれているそうだ。因みに原作者も女性であるため、完全に”男”人禁制の集会となっている。ただし、2014年にはすでに終了しているとのこと。
つどいでは、本編では触れられない設定を作者が話したり、ファンたちとの会話で新たな設定が生み出されたりしていたという。現在、公式・本編では掘り下げられていない裏設定として語られているもののほとんどは、このつどいから誕生したものだと言われて、ごくごく一部ではあるが公式に輸入されたケースもあるという。
しかしながら、集会が完全にクローズドであり、また裏設定の内容や集会の存在自体が全て口伝てであるため、正確性や真偽についての保証はないのが現状である。また、それに乗じてデマであるものも含まれていると考えられているが、つどいの存在自体が都市伝説めいた集会であるため、デマか否かの判定すら難しい。
あまたの裏設定に直接原作者が絡んでいるというのは、きわめて珍しいケースである。だがその内容は、ファンが求めるものやファンとの協力のもとに築き上げられた壮大な世界設計であったことは確かであろう。
【参考記事・文献】
忍たま乱太郎都市伝説!裏設定を知ったら忍たまが怖くなる裏設定とトリビア
https://scary-story.net/tosidensetu/nintama-rantaro-urban-legend/4/
「つどい」について
https://w.atwiki.jp/nintama_rakuran/pages/36.html
「つどい」について > つどい設定
https://w.atwiki.jp/nintama_rakuran/pages/37.html
忍たま乱太郎
https://dic.pixiv.net/a/%E5%BF%8D%E3%81%9F%E3%81%BE%E4%B9%B1%E5%A4%AA%E9%83%8E
(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)