西アフリカのリベリアにて、「幽霊船が漂着した!?」として話題になっている。
浜辺に漂着した「幽霊船」は64メートルあるタンカー。漂着した際には既に無人状態であり、船首部に「TAMAYA1」と船名が書かれていた。その下に「第五天竜丸」の文字が書いてあった痕跡が見えるため、現地の人々は「日本の幽霊船が漂着した?」と考えていたようだ。
この船はパナマ船籍のタンカーであり、日本の船舶会社が所有していたものを海外の会社が購入し、名前を変えて新たに登録したものとのこと。セネガルからダカールへ荷物を輸送する予定だったが、4月21日を最後に連絡が取れなくなっていたものと見られている。
この船に何が起きたのかは、漂着したタンカーの状況から類推するしかないため真相は明らかになっていない。
無人状態で漂着していた船が発見される、というとマリー・セレスト号事件が有名だ。マリー・セレスト号は大西洋を漂流中の所を発見されたが、乗組員も船長も誰一人残っておらず、船の中のものは何も手をつけられていない綺麗な状態で発見された。海賊に襲われたり事故に遭った訳でもないのに、人だけが忽然と消えた状態だったといえるため、この船に何が起きたのか謎となっていた。そのため異次元に迷い込んでしまったのではないか等、様々な説が唱えられたが、現在でも詳細は解っていない。
では、今回のタンカーには何が起きていたのだろうか。
今回漂着したタンカーについては、リベリアの港湾当局は調査の結果、乗組員がいなかったのに加え船内に火災の跡や積み荷に略奪した痕跡が見られたため、船舶の所有者が乗組員への給与支払いを無視したため反抗にあい、船員達が略奪して逃げ出したものではないかとみているようだ。
昔ならば無人の幽霊船としてミステリーになったかもしれないが、現在では捜査の結果割と納得のいく原因が判明するもののようだ。
なお、このタンカーは現地の警察が追跡して捜査に当たっているという。
文:飯山俊樹
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