これはバッドボーイズ・佐田が実際に体験したコワい話だという。
バッドボーイズが単独ライブをやることになった。その中でお約束のネタとして客を指指さしながら、「べっぴんさん、べっぴんさん、1人飛ばして、べっぴんさん」という、よくある客イジりのボケをやることになった。
ライブが始まって最前列の客を指差しながら、このネタをやってみることにした。
「べっぴんさん、べっぴんさん」
ここまできて佐田は一瞬たじろいでしまう。いつもは中高生が座っている最前列に赤い帽子をかぶったおばあさんが座っている。
(まずいなぁ、でもやらないとネタが成立しない)
困ったものの、佐田はネタを続けた。
「1人飛ばして、べっぴんさん」
客席が盛り上がり、演目は次のコントに移った。コントが終わり再びステージが明るくなった時、その赤い帽子のおばあさんはいなくなっていた。
特に深く考えないでそのままライブは無事に終わったようだ。そして2日連続のライブだったために、その日の映像をテープで見ながら内容をチェックしていた。
その横ではライブに来てくれていたお客さんたちや友人たちが続々と帰っていった。
「なんか、PA室が赤く光ってるよ」
何人からそう声をかけられた。だが特に気にしないでテープを見ていたところ
「ブチツ」
という音を立ててテープが止まった。おかしいなと思った佐田はPA室に向かった。
「うわっ」
あの赤い帽子をかぶったおばあさんがそこにいた。佐田に顔を近づけるとおばあさんはこんな風に言った。
「ワタシはベッピンさんではないの?・・・ワタシはベッピンさんではないの・・・」
心臓が止まるくらいビビった佐田はすかさずこういった。
「べっぴんさんです。べっぴんさんです」
「ありがとう」
そう一言残すと、赤い帽子をかぶったおばあさんは、スーッと天に昇っていった
アトラスではおばあさんに関する怪談を何本か掲載している。「寺に住む指のない老婆」「御嶽山の死者が行く道」などが人気の記事である。
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(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©PIXABAY