コロンビアの森林の中で、非常に珍しい鮮やかな色彩をした緑と青が半々の野鳥の映像が捉えられた。
この鳥はミドリミツスイ(グリーン・ハニークリーパー)と呼ばれ、アマチュアの鳥類学者ジョン・ムリーヨが発見し、たまたまコロンビアで休暇を過ごしていた動物学者のヘイミッシュ・スペンサー教授に報告した。それによると、この鳥は体の縦半分が色違いであるだけでなく、オスメスも分かれているのである。
この種のいわゆる両性雌雄異型(正中線を境に雌雄が半分ずつに分かれる生物)の観察例は、100年以上前に確認されて以来実に2例目である。
多くのバードウォッチャーは、一生かけてもこのような鳥の雌雄同型を見ることはないだろう。この現象は鳥類では非常に珍しく、とても印象的な現象なのである。
この鳥の映像と写真を見たスペンサーは、”間違いなく、あらゆる種の野生の両性雌雄同体の鳥の中で最高のもの “だと語る。それは、典型的なオスの青い羽毛を右側に、メスの緑の羽毛を左側に持つ生き物を映し出しているからだ。どちらの色もかなり鮮やかで、両者の分裂を特に際立たせているのである。
この現象が見られるのはミドリミツスイだけでなく、チョウやハチ、さらにはナナフシにも見られる。この現象は様々な種で記録されているが、両性雌雄異型自体は一般的に珍しいと考えられている。
ムリーヨとスペンサーを含む、この観察を記録した研究の著者は、両性雌雄異形は受胎前と受精の時点での稀なエラーの結果として起こると考えている。「この現象は、卵子を作るためのメスの細胞分裂の際のエラーから生じ、その後、2匹の精子による二重受精が起こるのです」とスペンサーは説明する。この二重受精が、なぜ逆の色パターンを示すのかを説明できると考えられている。
その珍しい外見にもかかわらず、研究チームはミドリミツスイに他の異常は見つけられなかった。この鳥は少なくとも21ヶ月間森に生息し、その間は他の野生種と同じように行動していた。ただし、その間に繁殖能力があったのか、あるいは繁殖していたのかは不明である。
ともあれ研究チームは、この珍しい観察が鳥類の性決定を理解するためのパズルに新たなピースを加えたと考えている。スペンサーは、この発見が人々に「例外と、それがもたらす興味深い発見を大切にする」きっかけになることを願い、「常に不思議なものに目を光らせてください」と締めくくる。
(ナオキ・コムロ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 IFLScience / YouTube