埼玉のぞぞです。
これは父の体験です。
私が二十歳くらいの頃です。深夜、寝ている父の足元を誰かが歩いて行ったそうです。父は夜遊びした私が帰宅したのだと思いましたが、その日私は友達とカラオケオールで帰宅したのは翌朝7時頃でした。
「ただいま〜」と帰ってきた私を見て、父はかなり驚いていて「夜中に一度帰って来なかった?!」と何回も聞かれました。
当時父が寝ていたのは狭いリビングで、玄関から入って子供部屋へ行くには父が寝ている足元を通らないと絶対に行けないのです。
父曰く、玄関の方からカラカラと扉を開ける音が聞こえ、誰かが部屋に入ってきた気配がして寝ている父の足元を避けるように一歩ずつミシ、ミシと畳の軋む音をさせながら子供部屋へ去っていったそうです。
あれは誰だったのか?父は今でも不思議がっています。
私も、それより以前に似たような事がありました。
父の体験より3年ほど前だと思います。
当時妹の寝床は子供部屋の押し入れの襖を外して2段目に布団を敷いたドラえもんスタイルでした。お休みの日の日中、急に眠くなった私は妹の布団をちょっと拝借して気持ち良く昼寝をしていました。
するとリビングの方から誰かがやってきて「あれ?寝てるなあ」といった感じで私の顔をじいっと覗き込む気配、そしてフゥ〜とため息のように息を吐いて、またリビングの方へ去っていく足音がしました。
足音が近付いてきた時点で私は半覚醒しており、眠くて目は閉じているけど意識は起きている状態だったので、(これは男の人だな、うちに男はお父さんしかいないからお父さんか〜。まあ用事があるなら話しかけるでしょ)と思いつつも無視して目を閉じ寝の体勢のまま動かずにいました。
タッタッタと無駄に軽やかに走るような足音。スゥ、ハァ…スゥ、ハァ…というやけに大きめの呼吸音が聞こえ、近くからジットリ見られている気配。違和感を覚えて「何だよ、なに人の顔ジロジロ見てるわけ?」と少しイラッと来て目を開けようかなと思ったらその気配はまた足音と共に去っていきました。
そこでふと部屋に入って来る時と出て行く時に絶対聞こえるはずのドアノブを回すガチャっという音が全く聞こえなかった事に気付き、これはヤバい!今絶対に変な事が起きたぞ!と飛び起きました。
奴の呼吸音が耳から離れず今のは夢じゃないと確信があり、怖くなった私は半泣きになりながら起きてから2秒くらいでリビングへ駆け込み、そこにいた父と妹に「今こっちの部屋来た?!来たよね?!」と聞きましたが、答えは勿論ノーでした。
部屋にはカーペットが敷いてありますし、押し入れベッドと隣の部屋へのドアはかなり近く、大股で2歩くらいなのであんな足音をさせて走る程のスペースはありません…
ドアを隔てたすぐ隣には父と妹がいてのんびりテレビを見ていたので幽霊以外に考えられません。よく考えたら怖いと言うよりキモい。後からめちゃくちゃ腹が立ちました。当時私は華のJK。乙女の寝顔を覗き込んでハァハァするなんて、幽霊のくせにヘンタイ野郎!許せん奴です!
父が言っていた足元を通ったという奴と同一幽霊なんでしょうか?それとも霊道でもあったのかな。ちょうど直線上なんですよ。不思議です。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 埼玉のぞぞさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Minh Thiện TrươngによるPixabayからの画像