スポーツ界において、いわゆる「ジンクス」というものは数多く存在し、それはJリーグにとっても同じことである。興味深いのは、Jリーグにまつわるジンクスには大きな特徴がある点だ。
Jリーグには、J1、J2、J3というカテゴリーが存在しており、レベルや年俸そして入場者数に配分金といった点でそれぞれ区別されている。ナンバーの若い方が高いレベルのものであり、シーズンにおける結果に応じてチームの昇格や降格がなされている。そしてJリーグのジンクスには、この特に「降格」にまつわるものが非常に多いのだ。
もっともよく知られているのは、2020年に引退した前田遼一選手にまつわる、「前田選手にシーズン初ゴールをきめられたチームはJ2に降格する」というものだ。6年連続で叩き出したといわれるこのジンクスは通称「デスゴール」と呼ばれ、強豪として知られたガンバ大阪ですらこれに巻き込まれたということから、ファンや対戦チームの選手の間でも心底恐れられていたと言われている。
前記は個人のものであるが、チームそのものにまつわるものも見られる。京都サンガはJ1とJ2を行ったり来たりしているのだが、当チームにまつわるジンクスはそのような繰り返しのことだけでなく「京都サンガと同年に昇格したチームは京都サンガと共に同年降格する」というものがあるり、ベガルタ仙台(‘01昇’03降)、アビスパ福岡(‘05昇’06降)などが事例として挙げられている。
またアビスパ福岡には、2002年以降J2を4年、J1を1年過ごすという「5年周期のジンクス」と呼ばれるものがあった。大相撲にも、勝ちと負けを交互に繰り返していくと終盤までそれが続いてしまうという「ヌケヌケ」のジンクスが囁かれているが、アビスパ福岡におけるジンクスは2021年においてチームの歴代J1最高順位を獲得するなどの躍進によって降格を免れ、負の連鎖を脱することに成功したようである。
各チームが賞杯を競い合う大会いわゆるカップ戦における恐ろしいジンクスも存在している。現在の「ルヴァンカップ」が「ナビスコカップ」と呼ばれていた頃のこと、「ナビスコカップで優勝したチームは翌年降格する」というものがあった。2008年にクラブ初タイトルを獲得した大分トリニータが翌年に降格、2009年に優勝したFC東京も翌年には降格という事態が立て続けに起こったのだ。同様のケースは、「天皇杯」でも起こっており、2002年度に優勝した京都サンガ、2004年度に優勝した東京Vがそれぞれ翌年降格してしまったのである。
ジンクスというものは、一度そのように考えをよぎらせてしまうと固執してしまいがちになる。上記のジンクスと称される事象は偶然によってもたらされた結果である可能性は当然あるだろうが、一度そのジンクスが言語化されてしまうことによって、心理的なプレッシャーを抱えてしまうということも充分にあり得るだろう。
スポーツは、肉体はもとより精神性が大いに成果を左右するものである。先に挙げた優勝の翌年に降格してしまうというジンクスも、優勝したことによる気持ちの余裕がもたらした油断が原因とも考えられるだろう。
実際にジンクスから脱したという例もあるので、それらにめげない戦いを繰り広げて欲しい。
【参考記事・文献】
・恐怖!!サッカーのジンクス
https://matome.eternalcollegest.com/post-2134745628214656101
・J2降格のジンクス
https://www.homemate-research-soccer.com/useful/13508_sport_100/
・【降格確定!?】鳥肌!サッカー界における信じられないジンクス
https://www.youtube.com/watch?v=bI0Emywk3to
【アトラスニュース関連記事】
(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Photo credit: Mixtribe Photo on Visualhunt