ポーランド西部のグリフィーノには、珍しい神秘の森がある。正常に成長している木に囲まれた約400本の木が根元で90度湾曲しており、その大部分は北側に向かって曲がっているのだ。
この木は、グリフィーノが第二次世界大戦で侵略され破壊される前の1930年代に植えられたようであるが、なぜこのように樹木の形が歪んでしまったかの経緯については諸説ある。中には、異星人の宇宙船に押しつぶされたと信じている人もいるが、そうだとすれば異星人の文明が星間旅行を習得しているにも関わらず、駐車のコツをつかめていないことになってしまう。
可能性は低いものの現実的な見方とすれば、戦時中にナチスの戦車によって粉砕された苗木が、再び光に向かって成長していったのではないかというものだ。ただそれにしても、我々が慣れ親しんでいる通常の縦向きの木に囲まれていることを考えると、この可能性も低いと考えざるを得ない。
自然な説明としては、暴風や大雪のためか、苗木が水平になってしまい、このようにして変わった形になったと考えられている。メリーランド大学で植物科学を研究しているゲイリー・コールマン准教授は、「私には古典的な重力反応のように思えます」「茎が重力に対して水平である時は、いつでも植物は向きを変えることができる機構を備えている」とワシントン・ポストで語っている。コールマン准教授は、米国森林局に勤めていた際に、嵐の後にこのような気を見たことがあるという。
しかし、より可能性の高い別の説明もある。曲がった木には切り傷や結び目の跡が見つかったと伝えられており、成長初期に重力反応が魔法のように働くまで、人間の手で作為的に木が地面に近づいていくよう手を加えていた可能性が示唆されている。伐採後に曲げられた直材よりも、自然に曲げられた木材の方が高い強度を持つ。曲がった家具や骨組み、あるいは樽などに使用するために曲げていたのかもしれない。
このように、湾曲は人間が作りだしたものである可能性は高いと思われるが、本当の説明は現在までも判っていない。
一方では、木が曲がるということにはもっと大きな謎もある。地球上のどこにあろうと、クックマツの木は赤道に向かって傾いているのだ。グリフィーノの森を含め、木が湾曲するという現象については、まだまだ謎が多いようだ。
(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 magdachemini / YouTube
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