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防腐技術を駆使して作られたミイラ「ストーンマン・ウィリー」128年ぶりに埋葬

ミイラというと古代エジプトなど、当時の文化や宗教観によって作られたものを想像しがちだ。だがアメリカには現代の一般企業が当時の技術を駆使して作ったミイラが存在する。それが今から128年前に作られたミイラ「ストーンマン・ウィリー」だ。

過去128年間、ペンシルベニア州の葬儀場で保管されていた男のミイラ化した遺骨が、今週末に行われる盛大な埋葬でついに安置されることになった。

ストーンマン・ウィリーの素性は謎に包まれている。彼は1895年、同州のレディング市でスリで逮捕されたと伝えられている。彼は自分の身元を明かす事を頑なに拒んだが、刑務所で裁判を待つ間に体調を崩し、最終的に身元不明のままこの世を去った。

その後、彼の遺体は地元の葬儀社に運ばれることとなったが、葬儀会社の社長であるテオドール・オートマン氏はこの身元不明の遺体を用いて当時まだ始まったばかりのエンバーミング(防腐処理)を試みることにした。




当時の方法は遺体に実験的に複数の薬品を混ぜたものを注入するというものだったが、この処置は成功を納め、遺体は時間の経過とともにミイラ化した。更に当局はオートマン氏が自身の葬儀社で死体を保管し、研究することを許可した。

以降、このミイラは葬儀場に展示され、この街の目玉として知られるようになったのだ。そんな近代の技術を用いて作られたミイラ「ストーンマン・ウィリー」だったが、この度レディング市制275周年記念行事に伴い、ようやく埋葬されることとなった。

葬儀は7日土曜日、男性が亡くなった1895年当時の葬儀にふさわしい服装に身を包まれ、レディングの街を通り地元の墓地に埋葬される。ちなみにストーンマン・ウィリーの名前や素性は地元の研究者たちによって突き止められており、今回の式典で明らかにされるとのこと。勿論、彼の墓碑にもちゃんと名前が刻まれることになるという。

何世代にもわたってレディング市民の想像力をかきたてた謎のミイラの正体が明らかになるまであと少しだ。

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画像&動画 CBS Chicago / YouTube

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