ひとりかくれんぼ(別名:ひとりおにごっこ)とは、2007年ごろからネット上で広まった呪術・降霊術の一種である。
匿名掲示板に詳細な方法が書き込まれて以来、掲示板を通して実践する様子を実況するといったブームも起こり、多くの体験談やそれに伴う不可解な現象の証言が報告されている。
大まかな手順は以下の通り。ぬいぐるみの詰め物を取り除き米と自分の爪を入れ、赤い糸で縫い合わせる。午前3時になったら家の照明を全て消してテレビは砂嵐だけを流す状態にする。
自分が最初に鬼であることをぬいぐるみに告げ浴室に置き、10を数えて再び浴室に向かい次はぬいぐるみが鬼であることを告げ、自分の隠れ場所に隠れる。1~2時間を制限として終了時にはぬいぐるみを探し、用意していた塩水をぬいぐるみにかけ「私の勝ち」を3度宣言する。
この通り準備するものが多く、手順がかなり複雑であることがわかる。そのためか、掲示板などで実況される際にはたいてい途中で何らかのミスが発覚し、パニックになる様子が語られている。特に自分が隠れている最中に、何者かの気配や足音などをはじめとした不可解な出来事が多発すると言われている。
またひとりかくれんぼは、他の呪術や降霊術とは少々異なる点が見られる。通常、「丑の刻参り」のように呪術では呪いたい対象者の体の一部を使用するが、自分自身のそれを使用しているということ。また、「口寄せ」や「こっくりさん」のように通常多人数で行なうべき降霊術を、たった一人で行なうということ。
これらの点から、呪術についてあまりにいい加減な知識に基づいた創作であると考える者もいる。その反面、ひとりかくれんぼは自分自身を呪うための方法であり、それを強力なものとするために本来とは逆の手法いわばタブーをあえて仕込んでいるのではないかとも考えられている。
実のところ、最初に匿名掲示板で手順を公開し実践した人物によって、この時行なわれたひとりかくれんぼは自作自演の創作であったことが暴露されているという。とは言え、この時のものが演出であったからと言って、実際には何も起こらないという確証が無いのも事実である。今となっては各所に伝播されたこの呪術は、多くの考察や別説・発展形を伴って紹介されている。
そこには、人々の抱く「何か起こって欲しい」という期待が込められているように思えてならない。
【参考記事・文献】
・朝里樹『日本現代怪異事典』
・ピクシブ百科事典ひとりかくれんぼ
https://onl.la/sXH5nxT
・都市伝説ひとりかくれんぼって何?やり方と注意点・危険な理由
https://spitopi.com/blog/20180111182045.html
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(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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