ザンビアの考古学者が、これまでに発見された最古の木造建造物と思われる古代の遺構を発掘して話題になっている。
この驚くべき発見は、リバプール大学とアベリストウィス大学の研究者がザンビアのカランボ滝で発掘調査を行った際に発見されたものだという。研究チームは保存状態の良い一対の丸太を発見、それらは石器で作られた切り欠きによって接合されていたことが判明した。
この初歩的な構造物は今から47万6000年前の家の土台であった可能性があると考えられている。この分析結果が正しければ、この接合された丸太は、我々の遠い祖先が木材を加工して構造物を作ったという最古の証拠であり、人類の進化に関するこれまでの考えを覆すことになる。
「石器時代というレッテルは忘れて、この人たちがやっていたことを見てください。彼らは木材を使って何か新しいもの、大きなものを作っていたのです」と、発掘に携わったリバプール大学のラリー・バーハムは驚嘆のコメントを出している。
研究者らは、この2本の丸太からは古代の人類の独創性だけでなく、古代の生活に関するこれまでの仮説を覆すものである事も指摘している。人類の祖先の生活については、定住を行わない遊牧民的なものであったというのが定説であった。しかし今回発見されたものが木造建築の痕跡であったとしたら、古代人たちは自然にできた洞穴などを探していたのではなく、能動的に生存に適した場所を探して定住していた可能性が示唆されるという。
恐らくカランボ滝周辺は、安定した水源と、食料と木材が手に入る近くの森林へのアクセスの両方を提供する、定住に最適な場所であったのだろうと研究者たちは主張している。
World’s oldest #wooden structure? Archaeologists from @LivUni and @AberUni excavated well-preserved wood with stone tool cut marks at #Kalambo Falls, Zambia. The artifact dates back at least 476,000 years and predates Homo sapiens. https://t.co/pJJKIa27lA pic.twitter.com/9reGvKFNnY
— Archaeology & Arts (@archaiologia_en) September 21, 2023
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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