妖怪

閻魔に仕えた人間がいる!?日本に伝わる「地獄」の伝承

地獄とは、死後の世界において霊魂が送られる世界の一つであり、悪行をなした者がその罰を受ける場所とされている。

各宗教あるいは宗教的な死生観において、その存在は語られるものであり、遥か地下に存在する世界として語られることが多い。

日本神話では「黄泉の国」の記述が見られるものの、これは地獄に似た場所とされるにとどまっており、明確に日本神話の中で「地獄」という存在が登場することはない。現代までにおける日本の地獄のイメージは、仏教の影響を強く受けている。

死者は、三途の川を渡ってあの世へ向かい、地獄の主・閻魔大王及びいわゆる裁判官である十王によって生前の罪を裁かれ、罪の重さによって服役する地獄を割り当てられるという。



それらは、焦熱地獄、賽の河原、阿鼻・叫喚地獄とさまざまであり、昔話などでは針山を裸足で登る、舌を抜くといったように、非常に厳しい責め苦を受ける描写として描かれている。服役を終えた者はその後、輪廻転生すると言われている。

地獄にまつわる伝説なども多く残っており、平安時代の役人であった小野篁が、地獄へ赴き閻魔大王の補佐として仕えていたという話や、同じく平安時代の真言密教の僧であった日蔵が、蔵王菩薩の導きで臣下とともに罰を受ける醍醐天皇に会う話などがある。

また地獄という言葉は、「生き地獄」などの表現に見られるように苦難な状況や事態において比喩的に用いられることも多い。現代人において、生きるも地獄、死ぬも地獄は切実な思いとして刻み込まれている。

(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 ウィキペディアより引用