100万ポンド(約1億8400万円)で開発された AIを搭載した”ロボ・シュリンク “セラピストが、鬱病と戦う人々のメンタルヘルスの問題を解決するために動いているという。もし、この技術が実用化されれば、専門の技術を習得した人間のセラピストに診てもらうために何ヶ月もNHSの行列に並ぶことはなく、コンピューターにログインするだけで24時間365日いつでも人々が助力を得られると期待されている。
AIを搭載したこのチャットボットは、うつ病と闘う人々を助けるためにNHS(イギリスの国民保険サービス)によって設計されており、開発者は「すでに30人の命を救っている」と主張している。
開発元であるワイサの責任者、ジョー・アッガーワル氏は「Wysaは感情に敏感なAIボットで、すでに30人の命を救い、世界30カ国の100万人以上の人々に利用されています」と語る。そのため、このロボットは「メンタルヘルス地獄」の「消火器」になると主張している。また、保健・社会ケア長官のスティーブ・バークレイ氏は「人工知能はすでにヘルスケアの提供方法を変えつつあります」と述べている。
しかし批評家たちは、この技術がもう少し発展しない限り、深刻な精神衛生上の問題を抱えた人々が「買い物の問い合わせに対応するチャットボットからほんの数回アップデートされただけのプログラムに、恐怖を共有することになりかねない」と危惧している。
確かに現時点では、AIが搭載されたロボットやチャットボットに患者の全てを託す事は難しいかもしれない。しかし、海外では適切な医療に対してのアクセスが脆弱な事等を踏まえると、徐々に人間の変わりにAIがやれる事を増やしていくのも必要な事なのかもしれない。
画像 sdecoret / Adobe Stock